アメリカも反日に傾き
日本に孤立の危機が迫る

 ここで、驚愕の本音が明らかになっています。中国は、「日本には尖閣だけでなく、沖縄の領有権もない」と考えているのです。

〈こう述べる郭氏は、中国、ロシア、韓国による反日統一共同戦線の創設を提案している。日本に第二次世界大戦の結果を認めさせ、近隣諸国への領土要求を退ける必要性を認識させるために、この戦線には米国も引き入れねばならない

 ここでは、日本の軍事同盟国であるアメリカも、「反日統一共同戦線に引き入れろ!」と主張しています。以上、中国の対日戦略をまとめると、

・中国、ロシア、韓国で、反日統一共同戦線をつくる。
・中ロ韓の3国で、日本の領土要求を断念させる。
・日本に断念させる領土とは、北方四島、竹島、尖閣、沖縄である。
日本に、沖縄の領有権はない!
・反日統一共同戦線には、アメリカも引き入れる。

 さて、当時の安倍総理は、どう動いたのでしょうか?結論からいうと、「大戦略的」に動き、中国の反日統一共同戦線戦略を無力化させることに成功したのです。何が起こったのでしょうか?

 安倍氏が首相に返り咲いた2012年12月、日米関係は最悪になっていました。その前の民主党政権が、ボロボロにしたからです。

 そして、就任当初、安倍氏が日米関係を良くできるとは、思えませんでした。なぜでしょうか?

 安倍氏は、「東京裁判は勝者の断罪」「侵略の定義は定まっていない」などの発言から分かるように、「自虐史観に染まっていない人物」です。アメリカから見ると、アメリカ自身が日本に植えつけた「東京裁判史観」を否定する人物は、「修正主義者」で「右翼」ということになります。

 実際、安倍氏は2012年から2013年にかけて、「ソフトファシスト」「右翼」「歴史修正主義者」などと、欧米中韓メディアから呼ばれていました。当時のアメリカ大統領だったオバマ氏は、リベラルな人物で、当初安倍氏のことをかなり嫌っていたのです。

安倍晋三の靖国参拝が
中韓以外の国々も刺激

 2013年12月、安倍氏が靖国に参拝したときは、嫌悪感がマックスになっていたようです。このこと、日本に住んでいると、なかなか理解しにくいかもしれません。