「え!総理の靖国参拝に反対なのは、中国と韓国だけでしょ?」と思ってしまうのです。

 私は日本国民が靖国に参拝するのは大賛成です。しかし日本に住んでいるのなら、世界の反応については正しく認識しておく必要があります。

 正直いうと、安倍総理(当時)の靖国参拝は、世界中から非難されたのです。どんな反応だったか、書いておきましょう。

・2013年12月26日、安倍総理の靖国参拝について、アメリカ大使館が「失望した」と声明を発表。
アメリカ国務省も「失望した」と、同様の声明を発表。
英「フィナンシャル・タイムズ」(電子版)は、安倍総理が「右翼の大義実現」に動き出したとの見方を示す。
欧州連合(EU)のアシュトン外相は、(参拝について)「日本と近隣諸国との緊張緩和に建設的ではない」と批判。
ロシア外務省は、「このような行動には、遺憾の意を抱かざるを得ない」「国際世論と異なる偏った第2次世界大戦の評価を日本社会に押し付ける一部勢力の試みが強まっている」と声明。
・台湾外交部は、「歴史を忘れず、日本政府と政治家は史実を正視して歴史の教訓を心に刻み、近隣国や国民感情を傷つけるような行為をしてはならない」と厳しく批判。
・12月27日、米「ニューヨーク・タイムズ」、社説「日本の危険なナショナリズム」を掲載。
・12月28日、米「ワシントン・ポスト」は、「挑発的な行為であり、安倍首相の国際的な立場と日本の安全をさらに弱める」と批判。
・同日、オーストラリア有力紙「オーストラリアン」は、社説で「日本のオウンゴール」「自ら招いた外交的失点」と指摘。
・12月30日、米「ウォール・ストリート・ジャーナル」、「安倍首相の靖国参拝は日本の軍国主義復活という幻影を自国の軍事力拡張の口実に使ってきた中国指導部への贈り物だ」(つまり、「日本で軍国主義が復活している」という、中国の主張の信憑性を裏づけた)。
・同日、ロシアのラブロフ外相は、「ロシアの立場は中国と完全に一致する」「誤った歴史観を正すよう促す」と語る。