私たちの感情は外的な出来事から生まれるのではなく、その出来事に対する私たち自身の考えから生じます。そのため、私たちは自分が考えていることしか感じることができません。

仕事についての考え方が
仕事に対する感じ方を決める

 仮にあなたが自分の仕事を心底嫌っているとしたら、多大なストレスや不安、フラストレーションを抱えるでしょう。職場の建物に足を踏み入れるだけで苦痛を感じ、仕事のことを考えるだけで腹が立ちます。仕事のことを考えていると、ソファに座って家族と一緒
にテレビ番組を見ていても、怒りが湧いてきます。その隣で、あなた以外の家族はみんな楽しい時を過ごしています。

 この瞬間、同じ出来事が起きているにもかかわらず、家族はあなたとは違う人生経験をしています。仕事を実際にしていなくても、仕事について考えるだけで、現実に対するまったく異なる認識がつくられるのです。

 もし外的な出来事が内面での感じ方を決めるというのが真実なら、リビングで家族と面白いテレビ番組を見ながら過ごすときは、必ず楽しい気分でいられるはずです。しかし、実際はそうなりません。

 外的な出来事、つまり仕事によってストレスや不安を感じているのだから、そう感じるのは仕方ないとあなたは言うかもしれません。

 それならば、自分のしている仕事について誰もがまったく同じように感じていると言えるでしょうか?

 ある2人がまったく同じ仕事をすることはあっても、2人はその仕事を通してまったく異なる経験をしています。それは一方の人にとっては最高に素晴らしい経験であり、理想の仕事かもしれませんが、もう一方の人にとっては最悪の悪夢であり、生き地獄かもしれません。

 2人の唯一の違いは、その仕事についての考え方であり、それが最終的に仕事に対する感じ方を決めるのです。

「仕事が嫌い」という
考え方を手放してみると…

 では、仮にあなたが自分の仕事を嫌っているとしたら、という先ほどのシナリオに戻りましょう。仕事について考えるとき、ストレスや不安、フラストレーションをどれほど感じるでしょうか。