次の質問に答えることで、簡単な思考実験をしてみましょう。
Q.「自分の仕事が嫌いだ」という考えを持たなければ、あなたはどうなりますか?
1分間時間をとって、何が頭に浮かんでくるか確かめましょう。それまでは先へ進んではいけません。
考えすぎずに、「仕事が嫌いだ」という考えを手放して、自分の内面から答えが浮かぶに任せます。すると、幸せで安らかな気持ちになり、自由で心が軽くなったと感じるでしょう。
特定の出来事や物事について、普段の考えを手放すと、そのことに対する私たちの経験は一変します。これが、私たちが現実の世界ではなく考えの世界に生きているということです。
そして、現実に対する認識は完全に自分自身の考えを通してつくられるということなのです。それを理解すれば、私たち人間のあらゆる精神的な苦しみの原因を解き明かしたことになります。
苦しみの根本原因は
「自分自身の考え」にある
あなたがこの本を放り投げてしまう前に、私たちの認識や感情がすべて思い込みだとか、実在しないと言っているのではないということを断っておきます。
『考えすぎない練習』(ジョセフ・グエン著、矢島麻里子訳 ディスカヴァー携書、ディスカヴァー・トゥエンティワン)
私たちの「現実に対する認識」は間違いなく実在します。私たちは自分が考えること(思考)を感じるのであり、私たちの感情は実在します。それはまったく否定できません。
しかし、私たちの現実がどのようにつくられるか理解できるまでは、自分の考えというものが、避けることのできない現実のように思えるでしょう。
自分が考えていることしか感じられないとわかれば、自分の考えを変えることで感情を変えられるとわかります。
つまり、経験が自分自身の考えから生じていると理解することによって、人生の経験を変えることができるのです。
そして、もしそれが真実なら、私たちは頭を切り替えるだけで――考えない状態を通して――いつでも異なる経験をし、人生を変えられるようになります。
つまり、考えることをやめた瞬間に幸せが始まるのです。







