要領を得ないやり取りにイライラ
数週間後、銀行からの電話で発覚
相手は「ここで口座を連携できればジモティーでも本人確認が取れて認証ユーザーにできる」みたいなことを言うのだが、こちらの質問に対して答えが返ってこなかったり、返ってきても10に対して1くらいだったり、いまいち要領を得ない。
違和感はあるのだが、最近どこもAIがメッセージでやり取りするようになってきたし、相手のこの言葉が通じない感じは海外のAIと自動翻訳を介して接する感触に通じるものがあって一応合点はいく。
だがワンタイムパスを2、3送ってもまだ「ワンタイムパスを」と聞いてくるので、なぜうまくいかないのか、などを尋ねた。これには返事がなくさらに「ワンタイムパスを」と聞いてくる。
徐々にイライラしてきた自分を私は意図的になだめた。ネットの手続きでうまくいかないとイライラしてしまいがちなので、「それを我慢しよう」と決意した矢先だったのである。
私は辛抱強く、何度もワンタイムパスワードを送った。途中「全然うまくいきませんね。私も暇ではありません。あと何度送ればいいのですか?」とメッセージし、直後に「AIに八つ当たりしても仕方がない。イライラする自分を直さないと」と自己嫌悪になるなどしながら、唯々諾々とワンタイムパスワードを送り続けた。今履歴を数えてみたらのべ10時間に渡って29回送っていたようである。
それでもうまくいかないようなので私はもう精魂尽き果て、憤りと悲しみとともにそれ以上送るのを諦めた。結局ジモティーはそれに関わらず相変わらず普通に利用できたので、よくわからないがまあ結果オーライだと考えていたのであった。
数週間後知らない電話から着信があり、詐欺かと警戒したが調べたら銀行だったのでかけ直した。「○月○日に海外で数回の利用があった。心当たりは?」と担当者に聞かれる。海外になんぞ行っていないから関係ないが、念のためカレンダーを見てみるとまさにワンタイムパスワードを要求され続けたあの日である。
まさかと思いながら「ネットでワンタイムパスワードを何度も要求され教えました」と答えると、「ご本人のご利用に心当たりはないということですね。口座にあった5万いくらが全て使われ、その後は残高不足で利用できなかったようです」と教えられた。