人に教えることは最高の学びになる
精緻化の方法はほかにもあります。関連する概念を図解し、矢印や色分けで整理すれば、知識の構造を視覚的に確認できます。複雑なテーマほど、図による視覚的な整理は効果を発揮します。
さらに「自分の言葉で説明すること」も非常に効果的です。
「教えることは最高の学び」とよく言われますが、これは実際にその通りです。誰かに教えるつもりで声に出す、ノートに要約を書く。そうすることで自分の理解度を確認でき、また説明する過程で「何が大事なのか」「何と何がつながっているのか」といったポイントが明確になります。アウトプットは記憶を強化する最高の手段といえます。
終わりに
維持リハーサルと精緻化。認知心理学に基づくこの2つの記憶戦略は、学習を支える重要な方法です。維持リハーサルは短期的に記憶を支え、精緻化は長期的に記憶を定着させる。状況に応じて使い分けることで、記憶の効率は大きく高まります。
本稿で紹介したのは、その一端にすぎません。具体的な実践やトレーニングの詳細は、別の機会にあらためて紹介しましょう。
(本原稿は、動画「50歳でも記憶力はアップ! 加齢に勝てる脳トレ法」の一部を要約したものです)