たしかにその通りですが、この答えには問題があります。好きなものを選ぶには基準となる味を知らなければ選びようがないからです。
「1kg1000円以上のみそがいい」
という意見を聞いたこともありますが、食べ物は必ずしも高価格の商品が優れているわけではありません。価格を頼りにするのはブランド信仰と同じで、自分の基準を外に委ねること。自分の内側に基準を持てなければ結局は「なにがおいしいのかわからない」という状態に陥るので、その意見には賛同できません。
みそ選びで迷ったら
一番安い米みそを買おう
「最初に買うならどんなみそですか?」
この質問の答えは「スーパーで手に入る一番安い米みそ」です。
そもそもみそは材料によって、米みそ、麦みそ、豆みその3種類に分類されますが、最も一般的なのが米みそ。米麹を使って醸すみそで、最も汎用性が高く、料理本のレシピにただ「みそ」と書かれていれば米みそを指します。
とはいっても、なにが米みそで、どれが麦みそかわからないかもしれません。調味料選びに迷ったら、パッケージに記載されている名称や原材料を確認するクセをつけましょう。米みそであれば名称の欄に「米みそ」とありますし、麦みそであればそう記載されています。
米みその場合、原材料名には「大豆、米、食塩」とあり、品質維持のために酒精(醸造アルコール=わかりやすく説明すると甲類焼酎)が入る場合もあります。
原材料表示が教えてくれることは他にもあります。例えばみそによっては「米、大豆、食塩」という並び順のものもありますが、食品表示では使用している原材料が多い順に並べるルールになっているので、米=米麹が多いということはこのみそが「甘口」ということを示します(甘酒=米麹を想像してもらえればわかりやすいと思います)。
米麹が増えると原価が上がるので、やや高価なはずです。逆に大豆が多いのは「辛口」になります。
「一番安いみそでいい」と聞くと味は大丈夫かと思うでしょうが、スーパーで市販されている製品はどれも品質が保たれているので心配には及びません。米みそのシェアの半分近くを占めるのが、長野県を中心に生産される「信州みそ」。まずは一番安い信州みそを探してみてもいいでしょう。







