上司と部下のコミュニケーションには
「権力」が伴う

上司と部下写真はイメージです Photo:PIXTA

 会社を経営していると、マネジメントはハラスメントのリスクと隣り合わせだと感じることが多々あります。数字に責任を持ち、会社や事業や部下を成長させたいと思えば思うほど、緊張感を伴います。マネジメントとしての役割を果たそうと思えば思うほど、熱が入ります。

 だからこそ、伝え方が非常に重要です。同じ内容を上司に厳しく指摘された時、「自分のためを思って言ってくれている」と思うか、「これってハラスメントじゃないか」と思うかはその人次第なのです。

 ただハラスメントにおびえるだけでは、マネジメントはできません。私は、次のことを意識するようにしています。

・主観ではなく、客観で伝える。事実と感情を分ける
・相手の立場に立って、場所と言葉を選ぶ
・非言語部分にも配慮する。声のトーンや表情、態度が威圧的になっていないか

 上司と部下とのコミュニケーションには、常に「権力」が伴います。こういう場合、善かれと思って伝えたことも、伝え方によっては相手を萎縮させたり、追い詰めたりすることにつながります。場合によっては「ハラスメント」と捉えられてしまう可能性があります。

 先述の3点を意識しながら、指摘だけで終わらず改善に向かうにはどうしたらいいかのアドバイスもセットで伝える。そして、期待しているからこそ、伝えているといった前向きな気持ちを伝えることも大切です。

 目的を共有し、一緒に向かっていく仲間であるというスタンスを伝えていくことが大切なのです。事実と感情を切り分け、改善につながる言葉を選び、常に受け手側の視点も併せ持つことを意識してみてください。