誰もがハードと思う朝ドラ撮影だが、本人は意外な反応
「人は人、自分は自分と思っている人だと感じました。なかなかそういうふうに思えないものですよね。どうしても自分の気持ちを相手に分かってほしかったり、共感してほしかったりするし、そういう自分は、相手の気持ちが理解できなかったり、受け入れられなかったりします。
生きているとそんな経験がたくさんあると思いますが、トキは相手の気持ちを一回理解して、受け入れたうえで、でも自分は違うなとか、私もそう思うとか、冷静に判断できる人。誰かを尊重できる強さと、自分も守る強さを持ったトキはかっこいいし、私もそうでありたいです」
かっこいいトキと歩む1年。朝ドラヒロインは撮影が1年ほど続き(放送は半年)、ハードだと言われている。でも高石さんはハードだと思っていないようだ。
「現場に入る前に、いろんな方から大変だと心配していただいたのですが、撮影がはじまって5カ月、まだ楽しいという気持ちのほうが勝っています。
自分でもいつかはしんどくなるんだろうなと思っていたのですが、日に日に自分が強くなっている気がして。私ってこんなに体力があったっけ?と思うほどなんです。
もしかしたら、撮影を通して体力をつけていただいているのかもしれないですが、撮影をすべて終えた時に、私は体力お化けになっているかもしれません(笑)。いつかは、もしかしたらしんどくなる時が来るのかもしれないですが、それもいい経験のひとつとして楽しみです」
逆境という壁を前向きに捉えている高石さん。
「目の前に壁が立ちふさがったとき、その壁は自分にとっていいものだと思うんです。楽観的なところがあって、壁だったり悲しいことだったり、すべてが自分にいい影響を与えてくれる存在として捉えると、気づいたら壁ではなくなっているんです」
髙石さんのそんな楽観的な部分が、トキに生かされていると言う。
「普段だと、お芝居をする上で役というものが最初にあって、その役が何を考えるかを考えますが、トキに関してはあまりにも自分に近くて。それは今までにない経験です。つい自分と重ねてしまいます。そうすることで、生々しさのようなものがお届けできたらいいなと思っています」