
高市新総裁の誕生で始まった「高市トレード」。日経平均は史上最高値を更新し、急激な円安が市場を席巻しています。この歴史的な円安株高はいつまで続くのか?この相場の継続を阻むのは経済的な要因だけではありません。実は、日本の「政治の機能不全」と「偏向オールドメディア」という根深い問題が、あなたの資産形成に大きな影を落としています。(百年コンサルティングチーフエコノミスト 鈴木貴博)
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歴史的株高
いつ終わる?
高市総裁就任直後の10月6日、日経平均は一時2000円以上も上昇しました。翌日には4万8527円33銭で史上最高値を更新しています。
ドル円レートも就任前の147.44円から、市場が明けた10月6日には149.19円で始まりあっという間に152円台に突入しました。
これらは「高市相場」や「高市トレード」と呼ばれる現象です。実は昨年の総裁選のときも同じ現象が起きていました。一時期、高市候補が石破候補をリードしていたことから、結果を先取りして円安株高方向に相場が触れたのです。
しかしそのときは二位の石破候補が決戦投票で逆転して総裁になり、翌日の日経平均は▲1900円を超える大幅安と相場が逆に動く結果になりました。
高市総裁の経済政策「サナエノミクス」は、積極財政と減税の容認です。アベノミクスで不発だった「二本めの矢」に相当する財政出動に積極的で、日銀の利上げについては時期尚早だと考えています。状況次第では赤字国債も容認するとしています。この方針が冒頭お話しした円安株高の原因です。
高市総裁は防衛に力を入れることも強調しています。そのため株式市場では三菱重工やIHIなど防衛産業銘柄の上昇が目立ちました。
さて、ここからが本題です。みなさんの財産を高市トレードに託してもいいのでしょうか?