有給休暇は病気のためにある?
上司に嫌味を言われたK子さん

「そんなに休んで、あと半年はどうするつもりなの?」

 そう言われ、上司の女性との意識の違いに唖然としたというK子さん。マンション販売会社に入社して2年目の彼女は、夏休みに海外旅行に行くため7日間の有給休暇を取得しました。その後、秋の連休にも3日間の有給休暇を申請して北海道旅行に行こうとしたところ、問題が起こりました。K子さん自身は、有給休暇を3日残しておき、病気になったときのために備えていたそうです。

 その会社では、夏休みは有給休暇を使って取得することが決まりとなっているそうです。会社によっては、夏休みとは別に特別休暇が設定されているところもありますが、その場合、実質的に有給休暇が法定日数よりも多くなるということです。

 K子さんは旅行が趣味で、不動産にも興味を持ち、中堅のマンション販売会社に就職しました。通常の週末や祝祭日は仕事が忙しく休めないため、その分、閑散期に連休を取って安く旅行に行けることに満足していました。しかし、上司の女性課長(40代)はそれをよく思わず、嫌味を言ってくるそうです。

「その上司は管理職になりたてで、張り切っている感じですね」とK子さんは語ります。その後、K子さんには仕事が振られなくなり、新規案件のチームからも外されました。一度は懇親会があることさえ知らされず、連休中に決まったようで、1人だけ取り残されたこともあるそうです。まるで学生時代のいじめのようで、大人げない対応です。

 他の部員の様子について聞くと、K子さんは「他は男性なので、あまり親しく話しません。お昼は他の部の女性と食べに行っています」とのことでした。

 働き方改革で職場が大きく変わった点としては、

(1)長時間労働の是正
(2)有給休暇の取得促進
(3)男性の育休取得

 の3つが挙げられるでしょう。有給休暇の取得率は企業に公表義務はありませんが、ホワイト企業の指標として公表する企業も多くあります。

 昭和の時代には有給休暇を毎年繰り越して、最大40日近くためている人も多くいました。よく言われていたのは、「病気になったときのためにとっておくものだ」という指導です。実質的には有休はないに等しかったのです。先の女性課長の発言は、まさにその昭和的な考えを反映しているのかもしれません。