マイホーム購入と相続に向けて
知っておくべき3つのこと
40代は、マイホームの購入と親の相続の両方を意識し始める年代だ。ここで、マイホーム購入と相続に向けて知っておくべきことが3点ある。
まず1つ目は「固定資産税は払い続ける出費」である点だ。固定資産税が高い地域の不動産を所有する場合は、毎年重い納税義務が続くことを忘れないでおきたい。特に高額のマイホームを購入するなら「ローン返済額+固定資産税」でシミュレーションを組むことが大切だ。
2つ目は「マイホームはいずれ相続財産になる」という点だ。自分が購入した家は、将来必ず子どもや配偶者など誰かが相続することになる。相続人はその時点の生活状況や家計、そしてローンの残債を踏まえ、「住み続けるか、手放すか」を判断せざるを得ない。つまり、マイホームの取得は自分だけの問題ではなく、次の世代にまで影響を及ぼす決断なのである。購入時点から「いつか相続財産になる」という前提で資産価値や維持コストを見極めておくべきであろう。
3つ目は「相続人の資金力」である。相続において怖いのは、相続税だけではない。相続税を支払った後も、相続人自身の教育ローンや住宅ローン、被相続人に債務がある場合はその返済も続ける必要がある。
相続人に資産力がなければ、相続税の負担やその後の自身の生活を維持することは難しく、結果として「相続した不動産を売却せざるを得ない」ケースは少なくない。
このリスクを避けるためには、早い段階から対策を講じる必要がある。例として、被相続人に生命保険がかけられていた場合は、死亡後に速やかに保険金が支払われるため、相続税の納税資金確保や相続人の生活を支える財源となる。資金不足という理由では相続税の納税期限を延長できないため、現金や納税資金にしやすい資産をどのように確保しておくかを検討しておきたい。
40代に必要なのは、マネーリテラシーだけではない。不動産リテラシーを高めることが大切だ。