ポジティブな感情ひとつとっても、そこから浮かぶイメージは人それぞれで、「お客様を笑顔にする」という言葉から、お笑いライブを見ているような爆笑を浮かべる人もいれば、デート中の穏やかな笑顔を浮かべる人もいるでしょう。

 でも映像ならば、「どんなワクワクなのか」「どんな笑顔なのか」といった細かなニュアンスを伝えることができるうえに、自分の持っているイメージと相手の持っているイメージの違いをすり合わせることもできます。

 企業のブランディングCMもこれに近い考え方ですが、必ずしも動画である必要はありません。写真やイラストといった静止画でもOKだと思います。

 ちなみに僕がファシリテーターとして関わっているリゲッタ(旧シューズミニッシュ)では、自社の理念や中期経営計画を、社員や取引先、顧客に演劇で伝えました。事業計画を自分たちで考え、社長が自ら脚本・台本を書き、それを演じるのも社員です。僕は、活字でまとめられた書類の何倍も、彼らの熱いメッセージが伝わったと思っています。

 目的を映像で伝えるためには、まず伝える側に「見えているもの」がないと、視覚化できません。そのため、自分自身がしっかりと「WHY」を理解できているか、ということへの確認にもつながります。

アプローチ2
目標を「数値」で伝える

 目標を「数値」で伝えることで、「ここに達したらゴールですよ」という地点を明確にし、「ここまでやったら終わり」を伝えやすくなります。

 たとえば、自動車の生産を担う企業で次のような指示が来たらどうでしょうか。

「いい車をできるだけ多く生産して」
「3カ月後までに、軽自動車を100台生産して」

 指示を受ける側に立った場合、不安を感じるのは、おそらく前者でしょう。「できるだけ」と言われても、どの程度を求められているのかわかりませんよね。あとから「足りない」「多すぎる」などと言われても、どうすることもできません。