逆に後者であれば、「3カ月で軽自動車を100台」という目標数値が明確なので、そのための工程や難易度をイメージすることができます。

 フルマラソンも、42.195キロと決まっているからゴールに向かって走れるのであって、ゴールがどの地点なのか、あと何キロ走ればよいのかがわからなければ、ランナーはペース配分や体力に不安を感じ、速く長く走り続けられなくなるでしょう。

 伝える数値は、金額に限らず、期間や人数、個数などさまざまです。

売り上げや経営計画など、最初から数字として設定されているものに対しては、「目標の数字を達成できるか、むしろ不安を感じている」という声もあるかもしれません。でもそれは、安心できる数値を設定できていないのだと思います。たとえば、トップダウンで一方的に与えられている数値であったり、目的や指標を伝えずに、目標数値だけが伝えられていたりするパターンです。

 目標を数値で伝えることは大切ですが、相手が不安を感じないような伝え方が必要です。

 もし「その数値を達成できるか不安です」という返答があったなら、「では、どうすればその不安要素をなくしていけるか一緒に考えましょう」と、コミュニケーションを図り、お互いに納得ができる数値を決めていけばよいのです。

 もしくは、目標の数値そのものを段階的に達成できる数値に変更するという選択肢も出てくるかもしれません。いずれにせよ、投げっぱなしにしない、ということが大切です。

「フォーミング」の段階では、できるかぎり不確定要素をなくす伝え方をしたほうが、メンバーは安心して動くことができます。

アプローチ3
指標と原則をつくる

「指標」とは、目標を達成するまでの過程において、どの程度まで進捗しているのかを測るための目印のようなもの。ビジネス用語の「KPI(Key PerformanceIndicator)」という言葉も一般的になってきました。

 先ほどのフルマラソンの事例で考えてみましょう。「42.195キロを5時間で完走する」という目標を設定した場合、折り返し地点を2.5時間で通過するとして、1キロを約7分で走り続ければ完走できることになります。