「新卒で良い会社に入れなかったら人生終了ですよね?」就活生からこうした質問を受けることがあります。
新刊『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』は、特別なガクチカも将来の夢もなかった普通の就活生=「脇役さん」の著者が、1000冊以上の本を読み込み、自分だけの就活戦略をつくりあげ、食品超大手を含む22社から内定を得た実体験から生まれた一冊です。
「長期インターンにも行っていないし」「自己PRで語れることがない」――。
そんな普通の就活生が、どうすれば自分に合う企業に内定を取れるのでしょうか? 就活に不安を抱えるすべての学生、そしてその姿をそっと見守る保護者の方に届けたい、内定につながるリアルな戦略が詰まった、まったく新しい就活本です。今回は、新卒就活を頑張るメリットについて著者である藤井氏が特別に書き下ろした記事をお届けします。

就活を全力で頑張ると身に付く力
就活ブログを8年間運営する中で、僕は「就活に真剣に取り組んだ人が、転職でも成功する」というケースを多く見てきました。
理由はいくつもありますが、その大きな要因のひとつが、就活と転職の両方で共通して求められる「人事視点に立つ力」です。
就活に全力を注いだ人は、この人事視点を自然と身につけています。
例えばエントリーシートなら、「自分が書きたいこと」ではなく「人事が読みやすく、理解しやすい文章」を意識できる。面接でも「入社したい気持ち」だけでなく、「自分を採用することで会社にどんなメリットがあるのか」まで踏み込んで語れる。
こうした思考は就活に限らず、その後の転職活動でも同じように評価されます。
むしろキャリアを重ねるほど、「人事視点で自分をどう見せるか」が差を分けるポイントになりますよね。
就活の最大の魅力
就活生と話していると、「新卒で良い会社に入れなかったら人生終了ですよね?」と質問されることがあります。これに対して僕は、こう答えます。
「最初に付き合った人とうまくいかなかったら人生終了ですか?」と。
むしろ最初に付き合った人とうまくいかないケースの方が多いですよね。キャリアも同じで、新卒で入社した1社目が自分に合う企業であり続ける可能性は低い。
だからこそキャリアは転職ありきで考えるべきで、1社目から自分に合う会社に入れたら「ラッキー」と考える方が健全です。(もちろん、そのラッキーを取りにいくことが就活の醍醐味ですが!)
では「転職ありきなら就活に注力する必要はないのか」と聞かれると、そうではありません。
先に伝えたように、就活を通して得られる知識や考え方は転職にも活きます。さらに転職だけでなく、仕事の場面でも役立つのです。
・業界研究や企業研究を通じて得られる「企業の成長性や市場動向への理解」
・エントリーシート対策で得られる「読みやすく伝わる文章力」
・面接対策を通じて得られる「わかりやすく伝える力」
挙げればキリがありません。
就活を適当にしてしまうと、自分に合う会社に入れないリスクだけでなく、こうした知識や考え方を得られないことこそ大きなデメリットだと僕は考えています。
これまで学校で習った知識は「将来役立たないのでは」と思うことがあったかもしれません。
ですが就活は違います。そこで得た学びは確実に将来につながります。
拙書『脇役さんの就活攻略書』でも、誇れるガクチカや資格がない就活生でもどう評価されるかを詳しく書きました。仕事や転職時に応用できる知識を盛り込みました。特に「毎日の日記習慣」「なぜなぜ分析」「人事への憑依」「差別化」は転職で存分に活かせる内容です。
このように就活に注力することで得られるのは、内定だけではありません。むしろ「一生使える知識や考え方」こそが最大の財産です。
1人でも多くの就活生がその価値に気づき、前向きに取り組めることを心から願っています。