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AIが小説を書き、絵を描き、音楽をつくるのが当たり前になった今、あらゆる仕事がAIに代替されつつある。では、人間にしかできない“価値のある”仕事をするためにはどうしたらいいのだろうか。脳科学者が解説する。※本稿は、津田一郎『脳から心が生まれる秘密』(幻冬舎)の一部を抜粋・編集したものです。
AIと人間は
何が明確に違うのか
自然言語(プログラム言語ではなく、普段、私たちが使っている言語)でやり取りできる生成系AIが一般向けにもリリースされたことで、一気にAIを活用する人が増えました。まるで本物の人間と会話しているかのような錯覚にすら陥っている人も多いことでしょう。
もちろんAIは人間とは違う。そう分かってはいても、「では何が明確に違うのか」と問われたらどうでしょうか。
「AIは人工物だが、人間は人工物ではない」では答えになっていません。
しょせんは人工物であり有機的な肉体を持たないAIが、頭脳的に人間と同じ機能を持つことはあるのか。「今はそうではない」としたら、何をもって「そうではない」と言えるのか。あるいは、いつか「そうなる」可能性があるとしたら、現状のAIのどこが発達したら「そうなる」のか。
つまり、AIが人間のような心を持つ日は来るのだろうか。
生成系AIの数理モデルであるニューラルネット研究が目指しているのは、どんな課題が来てもある程度は対応できるような柔軟な構造をつくることです。
たとえば、AIが「リンゴ」や「ミカン」という果物を学習したとします。すると、それらの共通点(高い相関)から何らかの同じカテゴリーに属することは分かります。「果物」というタグ付きで学習させればなおさらです。







