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みそ汁、冷ややっこ、湯豆腐……長い間、日本の食卓に並んできた豆腐。高タンパク低カロリーな健康食として再評価される一方で、豆腐メーカーや豆腐店の倒産・廃業が相次いでいる。未曽有の危機に直面する豆腐市場の“今”に迫る。(清談社 真島加代)
豆腐業界を襲う
倒産ラッシュ
日本人にとって馴染み深い豆腐。物価高の今でも手頃な価格で購入できるため、卵やもやしと同様に「物価の優等生」と呼ばれてきた。しかし近年、その安さが災いし、豆腐店の倒産・廃業が急増。豆腐市場にかつてない危機が訪れているという。
「この10年間で、豆腐の市場規模はおよそ年率4~5%縮小しているというデータがあります。豆腐は日本人にとって身近な食材ではありますが、食生活の変化によって食べる頻度は下がっているのです」
そう話すのは、豆腐メーカー・株式会社アサヒコの代表取締役社長、池田未央氏。2022年以降は一時的に市場が回復しているが、それは原料と燃料高騰に伴う値上げによるもの。「単価が上がっているだけで、売上個数は伸びていない」と池田氏は話す。
「豆腐メーカーの上位6社の平均売価は89.5円(※1)。それでも十分に安価ですが、実際にスーパーに行くと50円前後で売られている豆腐もあります。物価高騰を理由に、豆腐の売価を上げられる企業はまだ良いほうで、値上げに踏み切れない街の豆腐店や中小メーカーも少なくありません」
(※1)…出典:IntageSCI(23.8~24.7)
豆腐は卵やもやしとともに「物価の優等生」と呼ばれ、スーパーの特売品の定番。しかしその安さは、生産者の犠牲の上に成り立っている。







