多摩から国公立大学の最高峰を目指す
MIは最難関国公立大学への合格を飛躍的に増やすことが目標に
――改めて多摩にある私立中高一貫校を見ると、難関・上位校といわれるのは、男子校の桐朋(国立市)と女子校の吉祥女子(武蔵野市)、共学校では早稲田大学系属早稲田実業学校(国分寺市)くらいです。
井上 早実は、入学時の難度を考えるともっとチャレンジすればと思ってしまいます。私がやはり立ち上げから参画した同じ系属校の「早稲田渋谷シンガポール校」からは、ほぼ全入となった今でも、東大や京大を志向する生徒が毎年一定数存在しています。
――早慶の付属・系属校は、理系進学の比率が3割程度といずれも低めです。
井上 今回、MIを立ち上げることで、多摩地区から東大をはじめとする国公立最難関大学を目指す共学の中高一貫校を実現したいと考えています。初年度の募集は70人です。新たにMI担当として採用した10人程度の教員は、大多数が渋幕や渋渋、シンガポール校の元同僚とその卒業生の教員です。中には私が担任だった先生もいます(笑)。気心が知れているし、カリキュラムの運用上のさじ加減も分かる。生徒のモチベーションを高め、グローバルやキャリア教育も含めて、アイデンティティをしっかりと持てるように丁寧に指導してくれると思います。
――カリキュラムもプログラムも、渋谷教育学園での経験とノウハウが生かされるわけで、これまで多摩地区にはなかった学校が生まれると思います。入試は、具体的にどのように組み立てますか。
井上 一般生入試は、2月1日午後の1回に募集人員20人で国算2科を設定しました。実際の募集の中心となるのは、3日と5日です。特待生を含む20人を募集する3日2回は4科です。各10人募集の3日午後3回は2科、5日4回は4科となります。募集人数はあくまで目安で、受験生の状況に応じて対応したいと考えています。
――難関・上位校の併願先を狙っていますね。具体的にはどの学校でしょう。
井上 男子校では1日と2日に入試がある桐朋、女子校は同日程の吉祥女子は確かに意識しています。共学校では同じく1日と2日の渋渋の受験生が、もし通学圏であれば来てくれないかなと思っています。1日の早実は学校のカラーが少し異なるようにも思います。
――そうはいっても、早実が共学化したとき、女子学院の志望者がたくさん受けたこともありました。男子校の東京都市大学付属(世田谷区)とは1日午後と3日と5日がかぶりますね。
井上 それがとても残念です。10月4日の説明会で示した入試出題範囲の「傾向と対策」に続いて、11月15日と12月13日の説明会ではモデル問題を公開する予定です。
――入試問題は受験生へのメッセージです。難関大学を目指す生徒には挑みがいがある内容なのでしょうね。理系の女子に受けてもらうには、国語はそれほど難しくない方がいいと思います。3日の入試では1000人規模の受験生が集まる難関・上位校が並びますが、中堅上位校が抜けています。そこを補う存在になるといいですね。6年後の目標はどのあたりに置かれていますか。
井上 出口の合格実績をしっかりと出すことから逆算して、MIのカリキュラムとプログラムを設定しています。最難関の国公立大学に2桁の合格者を出していけたらと思っています。









