「中間管理職の悩みが消えた」
「ハラスメントに配慮して働けるようになった」
そんな感想が届いているのが、安藤広大氏の著書『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』『パーフェクトな意思決定』シリーズ四部作だ。これまで4500社以上の導入実績があるマネジメント法「識学」をもとに、ビジネスの現場で「数字に強くなれる」「仕組みで解決できる」という思考法を授ける本シリーズは、さまざまな企業・業界・個人から圧倒的な支持を集めている。この連載では、全ビジネスパーソンに必須の「リーダーシップ」のあり方について指南する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)
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カタカナ語が多い人
「このプロジェクトはアジャイルで進めて、スキームはBtoB向けのソリューションでいきましょう」
会議でこう言われて、あなたは即座に理解できるでしょうか?
カタカナ語を多用する人は、ビジネスの最先端を走っているように見えるかもしれません。
しかし、現場では「わかりにくい」「話が入ってこない」と敬遠されることが少なくありません。
むしろ、「この人、頭よく見せたいだけじゃないか?」と疑われてしまうこともあります。
では、なぜカタカナ語が多い人は嫌われるのでしょうか?
1. 理解の断絶が生まれる
カタカナ語が頻出する人の話は、しばしば「聞いていて疲れる」と言われます。
理由は単純で、「意味を推測する手間がかかる」からです。
「レジュメ」「エビデンス」「コミットメント」など、馴染みのない言葉が多くなるほど、話を聞く側は変換しながら理解することになります。
これは地味にストレスがかかり、結果として「この人の話はわかりにくい」と評価されてしまいます。
2. わかっているフリが危険を生む
カタカナ語を使う人自身が、その言葉の意味を深く理解していないケースもあります。
たとえば、「エンパワーメント」や「ダイバーシティ」といった抽象度の高い言葉を使うものの、説明を求められると曖昧な返答しかできない。
このような「わかっていないのに使っている」状態は、部下に誤解を与えるだけでなく、意思決定の混乱を招く危険性も孕んでいます。
3. 「自分本位な伝え方」と見なされる
カタカナ語の乱用は、相手への配慮に欠ける行為とも受け取られます。
「わからない人が悪い」とでも言うような姿勢は、チームワークにとって致命的です。
本当に優れたビジネスパーソンは、誰にでも伝わる言葉を使います。
難解な専門用語を使いこなすことよりも、「伝える力」「わかりやすさ」の方が、よほど重要なのです。
リーダーは仮面をかぶりましょう
カタカナ語は、使いどころを誤ると、「かっこつけている人」「実力がないのにごまかしている人」という印象を与えてしまいます。
言葉とは本来、相手に伝えるためのツールであり、相手の理解度を無視した発信は、リーダーとしての信頼を損ないます。
だからこそ、言葉を選ぶときこそ、相手への配慮という仮面をかぶりましょう。
(本稿は、『リーダーの仮面』の著者・安藤広大氏が書き下ろしたものです)
株式会社識学 代表取締役社長
1979年、大阪府生まれ。2002年、早稲田大学を卒業後、NTTドコモ、ジェイコムホールディングス、ジェイコム取締役営業副本部長を経験。プレイングマネジャーとして「成長しないチームの問題」に直面し悩んでいたときに「識学」に出合い、2013年に独立。多くの企業の業績アップに貢献した。2015年、株式会社識学を設立。わずか4年足らずで上場を果たし、これまで9年間で約4500社に識学メソッドが導入されている。著書にシリーズ累計178万部を突破した『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』(ダイヤモンド社)がある。『パーフェクトな意思決定』はシリーズ最新刊。










