社会貢献とメーカーの成長
両方を叶える経営を実現
十河会長が製品開発や市場開拓の際に考えるのは、社長就任当初から一貫して「うち“ごとき”が1番になれるか」「10年後に市場が残っているか」の2つだという。
『後継ぎ経営者のための70点経営 地味な積み重ねが、人と利益を引き寄せる』(神農将史、日経BP)
この考えに照らして、社会貢献の面を持ちながら、メーカーとして成長を目指せる製品がケアシューズだった。2005年にはOEM事業から撤退。その後は、介護業界への販売が中心だった販路を増やし、大手量販店へ進出した。現在は大きめの病院にある売店や自社通販などの販路も持つ。
このような形で適正利益を上げて従業員待遇も引き上げているため、「地元の中小企業の中では待遇が頭一つ抜けている」(十河会長)という。そのため、地元のさぬき市や香川県の出身者だけでなく、近隣の県からも新卒や20代、30代の応募があるという。また、片方のみでも半額で販売するビジネスモデルなどに共感し、競合の大手靴メーカーに勤めるベテランが入社したいと申し出てくることもあるという。
両社とも、優れた商品で顧客の満足度を高め、結果として高収益を実現。その実績を生かして新たな投資や採用をし、持続的な経営を実現している。
いずれも地方に本社を構え、外貨を稼ぐ会社のお手本のような経営だ。ぜひ、両社を参考に、力強い経営を実践してほしい。
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