スマートフォン市場で生き残った強者たち

 例えばスマートフォンはわかりやすい例である。日本でも製品が売られている「Xiaomi(シャオミ)」や「OPPO(オッポ)」、日本では販売されていないが、シャオミやOPPO同様に高い世界シェアを獲得する「vivo(ヴィーボ)」、米国の制裁を受けるも中国国内で品質の高さから評価を得てシェアを獲得する「Huawei(ファーウェイ)」、米国のファーウェイへの制裁を受けてファーウェイから分離した「HONOR(ロンヤオ)」、それにアフリカなど新興市場で展開する「Transsion(トランシオン)」といったメーカーが力をつけて生き残っている。

 中国市場に特化したファーウェイを除いた各社は、世界のスマートフォン販売でアップルやサムスンとシェアを奪い合っている。日本で販売されているシャオミやOPPOなど中国メーカーのスマートフォンを見ても、カメラはAI補正により美しく撮影することができ、バッテリーの持続時間や高速充電など研究開発の苦労が見て取れる。各社は高い開発力を持っているのだ。

スマホ戦争で生き残ったのは数社だけだスマホ戦争で生き残ったのは数社だけだ(筆者撮影)

シェアサイクルとクーポンサイトの熾烈な戦い

 中国のITが注目を集め始めたきっかけは、QRコードを使ったキャッシュレス決済や、シェアサイクル(自転車)で、これらはおよそ10年前に流行りだした。無数の企業からさまざまなカラーリングのシェアサイクルが登場したが、現在中国では「美団(Meituan)」というフードデリバリーで強い企業と、配車サービスの「滴滴(Didi)」、そして「Hellobike」の3社に絞られた。莫大な資金を投入し、どこでも見かけるくらい大量の車両を投入し、安値でサービスを提供し続けたこの3社が生き残り、その資金力でサービスの質を向上させていったのである。