利害関係のない者同士だから、悩みをざっくばらんに話したり、自分を解放してはしゃいだりできるのでしょう。毎週末会っているうちに、仕事や家庭、恋愛のことなど、だれよりも知っている間柄になることもあるそうです。

「××会社の○○さん」ではなく、ただの「○○さん」としてつき合えるのは、自分の存在価値を認めてもらえたような安堵感があるものです。

 また、足元にある地域のつながりは、これからさらに見直されてくるでしょう。

 私も稲刈りや運動会、秋祭りなど、イベントに呼んでもらううちに、地域の人たちとの交流が生まれました。仕事に直接関係がなくても、一緒に楽しみ、料理の作り方を教えてもらったり、米や野菜をいただいたり、取材者を紹介してもらったり、引越しを手伝ってもらったり。ゆたかな恩恵があるのです。

 “ただの人”としてのつながりは、じつは会社以上に、安定感があるのです。