そんなふうに自分の肩書、自分の世界を飛び出して、人と交流することのメリットは、多様な視点や柔軟な考え方を身につけること。
そして、「自分の価値を再発見すること」にあるのではないでしょうか。人と違うからこそ、自分のもっているものを再確認して、「こんな点で役立てる」「こんなことをしたら喜んでもらえる」と気づくのです。
たとえば、異世代交流や地方移住などでは、互いに得意なことを教え合ったり、助け合ったり。違いがあるから役割や魅力が浮き彫りになって、人とつながりやすくなるわけです。
ちなみに「『高い給与を払っても採りたい』50代転職者の特徴」は、(1)希少性が高い職種の人、(2)ポータブル性が高い職種の人、(3)柔軟性が高い人、なのだとか。
「柔軟性」とは性格の問題ではなく、意志や心がけの問題。個人で働こうとすると、顧客や取引先によってさまざまな「あたりまえ」がある。やわらかい感性や考え方をもつためには、さまざまな人との交流がいちばんの近道です。
仕事が途切れない人は
仕事が仕事を呼んでいる
肩書がなくても選ばれる人たちに、「どんなふうに仕事を獲得しているの?」と聞いたところ、同じ答えが返ってきました。
「ほとんどは、知り合いから声をかけてもらう」
この“知り合い”のなかでいちばん多いのが、仕事仲間。一緒にチームで仕事をして、その仕事ぶりを認められてまた呼んでもらったり、別なクライアントを紹介してもらったり。つまり、「仕事が仕事を生む」というプロセスがほとんど。
肩書がないからこそ、一緒に仕事をする仲間一人ひとりを大切にすること、1つひとつの仕事に丁寧に応えていくことが、ダイレクトに問われてくるのです。
また、同業界、同職種だけでなく、同じ趣味、同じ学びをしている人たちのゆるいコミュニティをもって、定期的に会ったり、オンライン交流会をしたりするのも、仕事に役立っているといいます。
情報交換をしたり、新企画について意見をもらったり、困った問題を相談したりすることで、互いに助け合えるのです。







