「希望年収」「入社可能時期」の質問は
“内定フラグ”ではない
さて、手応えのあった面接で不採用になる最後の理由は、「希望年収や入社可能時期を聞かれると内定が近い」という通説が、候補者側の「思い込み」に過ぎないということです。
企業側は基本的に、希望年収や入社可能時期を多くの候補者に聞いています。質問に対する回答もジャッジの材料になります。聞かれた候補者が必ず合格するとは限りません。
たとえば、ある人が「未経験なので勉強させてください」というスタンスで異業種に応募したとします。質疑応答でそうした思いを伝えた後、希望年収について聞かれた際、「現職での年収は800万円ですが、4月に昇給して900万円になる予定です。だから900万円欲しいです」などと急に主張したら、それまでの評価が良くても落とされるでしょう。
未経験での転職なのに、給与をアップしたいという矛盾に気付いていないからです。この場合であれば、「未経験の要素が多いので、現職の800万円を下回る水準からのスタートでも構いません」などと答えたほうがよいのは自明です。
繰り返しになりますが、企業側は応募者をジャッジする材料の一つとして希望年収などを聞いているだけであって、内定をにおわせているのではありません。
神経質になる必要はありませんが、転職面接では「手ごたえがあった」「これは内定が出るだろう」などと油断せず、最後まで気を抜いたり過剰に期待したりしないことが大切です。
選考結果については、連絡が来るまで気にしないことです。仮に不合格でも、深刻に考えすぎる必要はありません。いくら自分の評価が高くても、もっと評価の高い人が来れば落とされるのですから。







