2月に入ってからの米ドル/円は、上下4円程度の狭い値幅で方向感の乏しい展開が続いています。
ただ、2月の米ドル/円の値動きを調べてみると、例年、中旬までは小動きで、下旬に入ると、とたんに「豹変」したかのように荒れた動きになることが多いようです。
果たして、今回はどうでしょうか?
下の表は、ここ数年の2月下旬から3月初めにかけての為替相場の値動きをまとめたものです。
これを見ると、2月20日の終値に対して、米ドルは3月初めに、対円で最低でも3%近く、最大だと10%以上も上昇ないし下落していたことがわかります。
今年の2月20日は土曜日でしたから、その前日の19日の終値である91.50円を基準にして考えてみましょう。
3月初めにかけて、91.50円から3%以上一方向に動くとするならば、米ドル高の場合は94円を超えるし、米ドル安の場合は89円割れに向かうといった計算になります。
2月下旬に為替相場が
「豹変」する「真の理由」とは?
ところで、ここ数年、2月下旬が「荒れ相場」になることが多かった理由を考えてみると、そのテーマは一様ではなかったようです。
たとえば、過去2年間は「100年に一度の危機」、「ベアー・スターンズ・ショック」といった金融危機がきっかけになり、これに対して、2006年と2007年は新興国の要因がきっかけになりました。
しかし、私は、こういったことの裏に隠された「真の主役」があるのではと考えています。それは、FRB(米連邦準備制度理事会)の議長の議会証言だと個人的ににらんでいます。
言うまでもなく、FRB議長は米国の金融政策の最高責任者です。
その最高責任者は、2月と7月の年2回、金融政策に関する重要な議会証言を行うルールになっていて、例年だと2月下旬がそのタイミングに重なるのです。
私は、米国の金融政策の最高責任者が行う年2回の重要証言が「真の主役」ではないかと思っているのですが、FRB議長の議会証言後に米国の金利がしばらく一方向へ動く傾向があるということも見逃せません。