7~9月のドル円相場は「144~148円」レンジか、ドル安地合継続も高まる円安リスクとは?Photo:PIXTA

ドル全面安の第2四半期
欧州通貨がアウトパフォーム

 今年第3四半期(7-9月期、以下3Q)の主要通貨を考える前に、第2四半期(4-6月期、以下2Q)の動きを振り返っておこう。

 2Qでは米相互関税発表をうけた米スタグフレーション懸念、米国債格下げによる米財政悪化懸念、そして米利下げ前倒し期待の高まりなどを背景にドルが全面安となった。一方、スイスフランやユーロなど欧州通貨の上昇率が総じて高かった。特にスイスフランは、スイス中銀が6月に追加利下げを実施し、スイスの政策金利がゼロ%へ低下したにもかかわらず堅調だった。

 2Qの円相場は、トランプ関税による日銀利上げ期待の後退や中東情勢の悪化による原油高で日本の貿易収支が悪化するとの懸念からドルに次いでパフォーマンスが悪かった。

FRBは様子見姿勢だが
3Qもドル安地合い継続

 3Qでは米利下げ再開期待とトランプ関税の帰趨が焦点となる。米利下げ再開期待の再燃やトランプ関税を通じて米景気悪化懸念が高まることで、ドル安圧力が続く可能性が高いと筆者はみている。