同様に会話も、「情報交換」ではなく「信頼関係の構築」こそが最終的な目的だということを、会話IQが高い人は知っています。だからこそ、相手の話をとことん聞くのです。これが第2の原則です。
思いやりに欠けた話し方は
人間関係の破綻につながる
×「●●が■■なわけ。あとね△△なんて○○なんだよ。でね」(支離滅裂だ……)
×「クソ、最悪!ふざけんなよ、マジで」(怖い……)
×「それどうやってスケールするの?エグジットまで考えてる?」(何語?……)
自分が話したいように話す人がいます。
自分のペースで思いつくままに考えを口に出す。感情をコントロールできずキレる。使い慣れた専門用語を外部の人にも平気で使う。
そうすると相手としては、大変です。
支離滅裂な内容に戸惑う。怖い思いをする。話の内容がつかみにくい。
「ちゃんと説明する気あるのかな?」と不信感を強め、結果的に「この人とは会話ができない」と、徐々に距離を置くことになります。
それはまるで、キャッチボールだと言ってるのに、好き勝手に暴投を繰り返すようなもの。相手としてはため息をつきながら、遠くへ転がっていったボールを拾いに行くけれど、そのうち「やーめた」とその場を去ってしまうことになります。
「わかりやすい」かは
相手が決めること
○「結論から言うと○○が■■になりました。順に説明するね」(わかりやすい!)
○「とてもショックなことがあって、感情的になってます」(だいじょうぶですか?)
○「最終的なゴールはどんな風にイメージしてるの?」(そこは考えてあります!)
会話IQが高い人は、相手がわかるように話します。
結論と過程をバランスよく話す、気持ちを言語化する、易しい言葉で説明するなど、とにかく相手にとって理解しやすいように話します。
そうすると相手は「寄り添ってくれている」と好印象を持ち、信頼感を強めます。これが第3の原則です。
コミュニケーションとは、相手からの評価がすべてです。どれだけこっちが「わかりやすいでしょ!」と思って説明しても、相手が「わからない……」と思ったら、その時点でアウト。
『本当に頭がいい人の話し方 会話IQ』(五百田達成、ディスカヴァー・トゥエンティワン)
……というと難しく聞こえるかもしれませんが、だいじょうぶです。
第1の原則「相手を見る」、第2の原則「相手の話を聞く」さえしっかりできていれば、第3の原則「相手が置かれた状況を配慮して、いちばんわかりやすい方法で説明する」ことは、難しいことではありません。自然とできます。
そして説明した後は、ふたたび「相手の反応を見る」「相手の答えに耳を傾ける」に戻って、正しく伝わったかをその都度チェック。
このように、会話IQの3原則は、互いに機能し合いながら循環する関係にあります。
キャッチボールで求められるのは、速いボールでも強いボールでもなく「取りやすい」ボール。それは、相手をよく見て、相手のボールをしっかりキャッチすることで、初めて可能となります。







