私だって大人になったから、そういうことを思わせた人たちが傷つけようとしたわけでないことは知っている。けれど、軽く言ったことが、誰かの心を深く傷つけかねないことも知っている。

 何より、褒め言葉が自分の精神に栄養を与えてくれたことを知っている。だから今日も、ポジティブな声をかけあおうと思うのだ。

自己肯定感を高めると
人生が好転し始める

 自己肯定感を確立できている人は強いな、といつも思う。他人の評価や承認に依存しなくても成立することは、最強だ。

 自信があるということはセクシーでもある。いいところをフェアに褒められながら育ったという人もいるだろうし、修行の成果という場合もあるだろう。

 それにしても、つくづく思ったのは、自己肯定感は「あったほうがいい」というレベルのものではない。はっきり言って、「ないと辛い生き残りのスキル」と言ってもいいくらい大切なものだ。

 私は「自己肯定感の上げ方」というような心理学やウェルネスのハウツーもののコンテンツを読むのが嫌いじゃない。そんなマニュアル化されてもね、と思う気持ちもあるが、参考になる部分もある。スピリチュアルすぎて自分には現実感のないものもあるし、「言うは易し」と遠く感じてしまうものもある。

 だから、都合よく取捨選択して、好きに使っているし、時々見返したりする。そんな私がパンデミックの最中に作っていたリストがあった。

(1) 新しいことを学ぶ
(2) これまで達成したことをリストにする
(3) クリエイティブなことをする
(4) 自分の価値観を再検討する
(5) 自分を制限する考えを疑う
(6) 自分の快適ゾーンの外を体験してみる
(7) 人助けをする
(8) 過去に負った傷をなでる
(9) 他人にどう思われるかを気にするのをやめる
(10) インスピレーションを与えてくれる文章を読む
(11) ネガティブな人たちを手放す
(12) バウンダリー(境界線)を引き直す
(13) 怖いことに向き合う
(14) 誰かのメンターになる
(15) 自分の成功を定義する

20代がピークだと
いったい誰が決めた?

 若い頃、思い込んでいたことのひとつに「年を取ることは、坂をゆっくりと転がっていくような下降だ」ということがあった。

 人間の体や美しさのピークは20代で、あとはだんだん艶を失い、体力は減退し、少しずつ痛みを増やしながら、つまり衰えるばかりで生きていくのだと思っていたのである。思わされていた、というほうが正しいかもしれない。