実はこの構造、身近な物語にも当てはまる。
『ドラゴンクエスト』や『スター・ウォーズ』、『ハリー・ポッター』さらには『千と千尋の神隠し』――どれも、このヒーローズ・ジャーニーの型を踏襲している。だからこそ、これらの物語は多くの人を惹きつけてやまないのだ。
君の人生だって、このヒーローズ・ジャーニーとして再構成できるはずだ。
君が主人公となり、ある日「天命」を受け取る。そして、慣れ親しんだ日常を抜け出し、新しい挑戦の世界に飛び込む。知恵を授ける「先輩やメンター」との出会いや、試練を与える「悪魔」との対決を通じて、君は自分を成長させ、最後には使命を達成する。その後、君は日常に戻り、そしてまた新たな冒険を始めるかもしれない。
大切なのは、自分の人生を壮大なストーリーだと捉え、その主人公になる「覚悟」を持つことだ。
それこそが、「ぬるま湯」から飛び出す一歩になるのだから。
ユニークな収益モデルを考えた
ビズリーチ創業者の異色の経歴
人生を「ジャーニー」として捉えるなら、ビズリーチ創業者・南壮一郎さんの半生はわかりやすいお手本だ。
「ビズリーチって何?」と思う人もいるかもしれない。簡単に言えば、求職者側が料金を払う転職サービスを日本で初めて始めた、ユニークな人材紹介会社だ。
南さんに直接お話を聞いたとき、最初にこんな質問をした。
「南さんは、自分の『やりたいこと』が最初からわかっていましたか?」
彼は即答した。
「そうですね。僕にとって『やりたいこと』は、子どもが目の前のものに夢中になるのと同じくらい自然なことでした」
これを聞いて「やっぱり」と思う反面、「それって結構レアケースだよな」と感じた。ほとんどの人は、自分のやりたいことが明確ではない。
けれど、南さんの成功までの道のりを聞いていくと、そこには「ヒーローズ・ジャーニー」のすべてが詰まっていることに気づく。以下、その要素をひも解いてみよう。







