重要なのは継続することです。軽めの運動でも5~6ヵ月続けると、太ももの筋肉量は約2割増加すると言われています。これは脚力の向上だけでなく、姿勢の安定や転倒防止にもつながる大きな成果です。無理なく日常生活に取り入れられる方法を見つけ、コツコツ続けることが健康的な体づくりの鍵となります。

 見えない筋肉だからといって放置せず、まずは簡単な運動から始めてみましょう。体がしっかり動いていることを実感しながら、徐々に負荷を調整していくことが長続きのコツです。大腰筋の強化は若々しい歩き方と安定した姿勢を取り戻し、転倒リスクを減らして安全で快適な生活を支える重要なポイントです。

尿もれ・失禁を防ぐには
「骨盤底筋」の鍛錬が有効!

 年齢を重ねると、ボディラインが崩れてくることがありますが、その大きな原因の一つが骨盤底筋の衰えです。骨盤底筋は骨盤の底部に位置し、膀胱や尿道、膣、子宮などの臓器を下からしっかり支える重要な筋肉群です。この筋肉が弱まると、骨盤が歪みやすくなり、姿勢や体型に影響を与えてボディラインが崩れてしまいます。

 また、骨盤底筋の衰えは、肛門や尿道、膣を締める力の低下にもつながり、尿漏れや失禁の原因となります。くしゃみや咳をしたときに尿もれを感じる場合は、骨盤底筋の弱まりが考えられます。

 骨盤底筋を強化するために特に効果的なのが、肛門括約筋のトレーニングです。これは非常にシンプルな運動で、立った状態でお尻に力を入れ、肛門をぎゅっと締めて3秒間キープし、その後ゆっくりと力を抜くという動作を1日に数回繰り返すだけで良いのです。家事の合間や信号待ちなど、ちょっとした時間に手軽にできるため、続けやすいのが特徴です。

 この肛門括約筋のトレーニングを続けることで、骨盤底筋全体が強化されます。すると、お腹や背中、太ももの筋肉にも自然と力が入り、体の軸が安定して正しい姿勢を維持できるようになります。姿勢の改善は見た目の若々しさだけでなく、腰痛などの予防にも役立ちます。

 さらに、このトレーニングは痔の予防や改善にも効果が期待されており、男性の勃起不全(ED)の予防や改善にも役立つとされています。骨盤底筋が強くなることで血流が改善し、関連する症状の緩和につながるためです。性別や年齢に関係なく、多くの人におすすめできる運動と言えるでしょう。