「塩分は控えたいけど薄味はイヤ…」そんな人に医師がすすめる“ごはんに混ぜるだけ”の一品写真はイメージです Photo:PIXTA

歳を重ねるとともに、心身の老化は気になるもの……。毎日の食事から肌や臓器の若々しさを保つために役立つ「食べ物」、その中でも「海の幸」について医師が解説する!※本稿は、医師の白澤卓二『科学的に正しい一生老けない方法100』(宝島社)の一部を抜粋・編集したものです。

牡蠣などの貝類で亜鉛を取り込み
老化を撃退しよう!

 私たちの体は、約60兆個を超える細胞によって構成されており、それぞれが独自の役割を果たしながら健康を維持しています。これらの細胞は常に古いものから新しいものへと生まれ変わっており、この再生のサイクルを支えているのが日々の食事です。

 なかでも、細胞の主要な構成要素であるたんぱく質は欠かせない栄養素ですが、実はそれだけでは十分ではありません。細胞を新たに作るためには、「亜鉛」の存在が必要不可欠なのです。

 亜鉛は鉄と同様に、体のあらゆる機能に関わる非常に重要なミネラルです。不足するとさまざまな不調が現れます。

 成長期の子どもであれば身長の伸びが鈍くなったり、免疫力が低下して風邪をひきやすくなったり、傷の治りが遅くなることもあります。大人でも肌荒れや脱毛、味覚障害といったトラブルが生じることも。

 そんな亜鉛を豊富に含む優秀な食材の代表が貝類です。なかでも牡蠣は特に亜鉛含有量が多く、たった4個で10mgもの亜鉛をとることができます。これは「日本人の食事摂取基準(2025年版)」が推奨する1日あたりの摂取量、男性で11mg、女性で8mgのほぼ全量に相当します。

 アサリやシジミといった貝類も亜鉛を含んでいますが、効率的に摂取したいならやはり牡蠣が最適です。