日々の生活の中で簡単に取り入れられるこの骨盤底筋トレーニングは、健康維持や体型の維持、さらには生活の質向上にも寄与します。忙しい現代人でも気軽に行えるので、ぜひ習慣化してみてください。

「ふくらはぎ」を鍛えて
血流をアップさせよう!

 私たちの体は重力の影響で、血液が足や腰にたまりやすい特徴があります。本来、この血液を心臓に戻す役割を果たしているのが「第2の心臓」と呼ばれるふくらはぎの筋肉です。

 ふくらはぎの筋肉は収縮と弛緩を繰り返し、ポンプのように働いて血液を心臓へ送り返しています。しかし、この筋肉が弱くなると、血液をスムーズに心臓へ押し上げることが難しくなってしまいます。その結果、心臓は血液を戻そうと圧力を上げて無理に送り返さなければならず、心臓に過度な負担がかかってしまうのです。

 さらに、心臓だけでなく、圧力がかかった血管にもダメージが生じ、血流が悪化します。血流が悪くなると脚の筋力低下が進み、脚が十分に上がらなくなるため、つまずきや転倒のリスクが高まります。また、脳への血流も不足しがちになるため、認知症のリスクが増大するなど、健康面に深刻な影響を及ぼすことも少なくありません。

 特に高齢者の場合、転倒は寝たきりの原因になることが多いため、ふくらはぎの筋力を維持・強化して血流を良くすることが重要です。では、ふくらはぎ力を効率的に鍛えるにはどうすれば良いのでしょうか。

 その一つが「1分間の片足立ち」です。これは簡単にできるにもかかわらず、太ももや背中、お腹にも適度な負荷がかかり、血流改善や筋力強化に非常に効果的です。実際、インターバル・ウォーキングとほぼ同じくらいの効果があるとされています。

 具体的には、週に3~4回、朝や就寝前の時間に片足立ちを1分間行うことを習慣にすると良いでしょう。バランスを崩さずに立つことが難しい場合は、壁や椅子の背もたれを軽く支えにして行うのも効果的です。続けることでふくらはぎの筋力が向上し、血液の循環が改善されて心臓への負担も軽減されます。また、転倒予防にもつながるため、高齢者の健康維持に欠かせない運動と言えるでしょう。