“考えすぎ”から解放された
そんな感想が国内外から届いているのが、世界150万部突破・39か国刊行のベストセラーとなっている『STOP OVERTHINKING ── 思考の無限ループを抜け出し、脳が冴える5つの習慣』だ。Amazon.comでも13,000超のレビューで世界が絶賛する話題書がついに日本上陸。本書によって日本人が考えている以上に「考えすぎ」が恐ろしい事態を招くことがわかった。今回はライターの照宮遼子氏に寄稿いただいた。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

【スケジュール地獄あるある】三流は「自滅する」、二流は「効率化する」、では一流は?Photo: Adobe Stock

不安定なフリーランス生活

 フリーランス生活はとても不安定なので、依頼があるのは本当にありがたく、スケジュール帳が埋まるたびに少し誇らしい気分になる。
「求められている」という実感が、仕事のモチベーションになっていた。

 けれど、あるラインを超え始めると、「これ、本当に全部できるのか?」という不安が顔を出す。
 月が始まると、前半はアクセル全開で頑張りすぎて体調を崩し、後半になると「結局、間に合っていたじゃないか」と肩の力が抜ける。

 そして翌月、また同じように繰り返す。
 スケジュール帳が埋まっていないと、なんだか不安になり、結局、詰め込んでしまうのだ。この矛盾に気づきながらも、なかなかこの習慣をやめられなかった。

世界的ベストセラーの教え

 この秋も日本で話題となっている、全世界150万部突破のベストセラー『STOP OVERTHINKING』の著者ニック・トレントン(行動心理学修士)もこう述べている。

締切に不安を感じたり、常に何かに急かされている気がしたり、忙しすぎて収拾がつかなくなったりする人は、リラックス目的のテクニックより、時間管理のテクニックのほうが得られるものが大きくなる。
――『STOP OVERTHINKING』(P.99)より

 私の不安の原因は「忙しさ」そのものではなく、「時間の見積もりミス」だった。
 たとえリラックスして不安を軽減できたとしても、根本原因である「詰め込みすぎ」は解決しない。

 そこで、多くの人が真っ先に取り組むのは「効率化」だろう。
 タスク管理のアプリを入れ、時短テクニックを試し、早起きを始める。
 でももっと大切なのは、「やらないことを決める」ことだ。
 時間管理とは、「何をやるか」を決めることより、「何をやらないか」を決めることなのだ。

「全部やる」を卒業したら、見えてきた景色とは?

 私が変わったのは、「他人に振る」と「最初から断る」を覚えてからだ。
 以前は、インタビューの文字起こしを自分で読みやすく整えてから執筆していた。

 でも、「整えるのは、私じゃなくてもいいよね?」と気づいてからは、文字起こしをはじめ、振れるものは他の人に振るようになった。
 そして、最初から「これは無理」と思ったら、仕事を断るようにもなった。

 その結果、月前半に体調を崩すこともなくなった。
 何より、やるべき仕事の質が上がった。
「全部やる」から「本当に必要なものだけをやる」に変えただけで、不思議と不安が減った。

「三流」「二流」「一流」、一体全体、何が違う?

 どんな職場にも「スケジュール地獄」にハマる人がいる。
 私もこれまで数多くのプロフェッショナルを取材してきたが、三流の人はただ焦って「自滅」し、二流の人はやみくもに「効率化」しようとしてなかなか改善しない。
一方、一流の人は、「全部やろう」とせず、「本当に必要なものだけ」に集中して成果を上げ続ける。

 今でもたまに、スケジュール帳に余白があると、「このままでいいのか?」と焦るときがある。
 でも、あの月前半の体調不良を思い出すと、すっと手が止まる。
 忙しさで自分を証明する時代は、もう終わった。
 こんな大切なことを、本書はシンプルに教えてくれたのだ。

(本稿は『STOP OVERTHINKING ――思考の無限ループを抜け出し、脳が冴える5つの習慣』に関する特別投稿です)