既存メンバーの声を活用する

自社のべき論とnotべき論を表現する際に、既存メンバーの声を活用することも効果的です。実際に働いている人の生の声は、求職者にとって非常に参考になります。

例えば:

「当初は『お客様第一』と聞いて、『お客様の言いなりになるのかな』と心配していました。でも採用面接でそうではないと説明をいただきました。実際、お客様にとって本当に良いことを提案することが求められていて、時には『それは良くないと思います』とお伝えすることもあります。お客様のことを真剣に考えているからこその姿勢だと理解しています」(営業担当・入社3年目)
「前の会社では、リモートワークが認められておらず、必ず出勤していました。この会社では、『オンラインでできるものはオンラインで』と指導されているので、朝イチの打合せはみんな自宅からオンラインで実施しています。」(事務担当・入社1年目)

このような既存メンバーの声があることで、求職者は安心して応募できます。

言語化された魅力は必ず伝わる

「会社の魅力とは何か?」を突き詰めて考えていくと、「べき論」と「notべき論」に行きつきます。

もちろん給料や労働時間などの定量的な条件も提示しなければいけません。しかし、それはどの会社でも行っていますし、その定量的な条件で自社を選んでもらうのはかなり厳しいです。

一方で、ここまで説明してきた手法を実践すれば、自社の魅力は確実に求職者に伝わるようになります。そして、価値観の合う優秀な人材を採用できる可能性が格段に高まります。

実際に、ぼくがコンサルティングを行った企業では、べき論とnotべき論を明確にした結果、応募者数が3倍になり、内定辞退率が半分以下になったケースもあります。

採用がうまくいかないのは、決して会社の魅力がないからではありません。その魅力を適切に言語化して伝えられていないだけなのです。まずは自社が言葉にしていない部分に焦点を当ててみてください。