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この世の中「全く浮いていない人」など1人もいないはずなのに、なぜ人々はこれほどまでに「浮くこと」を恐れるのか。その理由には、ルールだらけの社会のやりにくさや、集団の一員でいることで得られる安心感が深く関わっているという。※本稿は、コピーライター・澤田智洋『人生にコンセプトを』(筑摩書房)の一部を抜粋・編集したものです。
「全く浮いていない人」
など存在するのか?
そもそもの話として、全く浮いていない人なんているのでしょうか?
つまり、「社会と自分はバッチリ気が合っていて、なんのストレスもありません!」という状態ということです。もしそうであれば、この本はあなたにとって何の意味もありません。
今すぐ焚き火にくべるか、枕の下にでも入れて安眠グッズにしてください。でも、おそらくそんな人はいないでしょうし、ある意味では不可能ではないかと思います。
また、「浮いていない」とは、先人や先輩たちが築き上げてきたルールに100%うまく適応できている状態なわけですが、そのルール自体が疑わしい場合もあります。
もし現状のルールが「完成品」でありこれ以上改善できない「極み」まで達しており、かつ「未来永劫有効」である場合には、浮いていないことは確かにとても望ましいでしょう。でも、社会とはそんな固定的なものでしょうか?
もちろん、たとえば憲法は、私たち国民の人権や権利を保障するために、相当完成度の高いルールであることは間違いありません。しかしそんな憲法ですら、改正の議論が湧き起こりますよね。







