社会から浮いたときは
コンセプトが味方になる
ところが一度「ライオン」という言葉をつくった途端、ライオンは「恐ろしさの固まり」ではなく、いくつかの特徴を持った「ライオン」という存在に変わる。すると不思議なことに、以前よりも恐怖感が薄まる。得体がしれないものから、得体がしれるものに変わるからですね。
『人生にコンセプトを』(澤田智洋 ちくまプリマー新書、筑摩書房)
言葉は、よくわからないものを、少しわかるための手がかりとなります。ふんわりしたものが対象化され、外在化され、相対化される。
自分の考えや想いに関しても、言葉にした瞬間、自分の内側から外側へと飛び出し、「他者化」される。ときには相棒になる。だからこそ、「社会から浮いた」ときに、コンセプトがあると心強いのです。
私自身、「人生をかけて、弱さを生かしていきたいな」とふんわり思い始めてから少しずつ、「弱さ力」などと言葉にしていきました。そして「「弱さ」より「マイノリティ」の方がより広義の弱さと向き合えそうだな」「「力」は個人に属するけど、「デザイン」にすると社会全体を変える動きになりそうだな」とチューニングをし続け、最終的に「マイノリティデザイン」という言葉にしました。







