まず説明の中で、あなたが強調したいと思う箇所と、さらりと述べてもよい箇所に分けます。強調したい箇所とは大事なキーワードや、あなたが「ここは伝えたい!」と思うところです。そこにマーカーを引きましょう。マーカーで色が付いた箇所をゆっくり、やや大きな声で話し、色が付いていない箇所は普通に話せばいいのです。
次の例文で説明しましょう。私が強調したいと思った箇所を太字にしました。
今回の新商品「ニコニコ・ハンディクリーナー」をご紹介します。この商品の最大の特徴は、なんといっても軽さと機能性です。重さはわずか600g。片手で楽々持てるのに、吸引力は従来品と比べて3倍もアップ。置く場所も選びません。一人暮らしの方にも、ご高齢の方にもおすすめです。
太字にした箇所が、緩急の「緩」です。ここは、ゆっくり大きな声で読みます。
それ以外の箇所はテンポよく説明します。緩急の「急」ですね。
もう一つ、強調して伝えるための「コツ」があります。あなたがマーカーを引いた箇所の前で、少し「間」をとりましょう。その上で、強調したいメッセージをゆっくり大きな声で読み上げます。
これは心理学の用語で「サイレントフォーカス」といって、「沈黙することで、相手を惹きつける効果」を狙います。「間」をとることで、強調したいメッセージを相手に印象づけるのですね。一方、マーカーを引かなかった箇所は、スラスラ読みます。
このように緩急をつけた読み分けで、強調したい語句がより明確になります。
また、「ところで」「つまり」「さて」といった接続詞を用いた段落の変わり目でも、大きく「間」をとると一段と緩急がつき、相手を惹きつけることができます。
説明上手と説明下手は
声のボリュームも違う
会議や打ち合わせの席で、たまに「声が小さくて聞こえないなぁ」「もっと大きな声で話してほしいのに……」と、もどかしくなることがありますよね。
「声の大きさ」も、説明にとっては重要な要素です。
説明は相手に届けるものですから、声が小さくてはそもそも相手には伝わりません。







