ひとしきり話すと、「ほいで?(それで?)」と合いの手を入れて先を促されます。聞かれた側は調子が出てきて、さらに舌が回り始めます。
途中でわからないことがあると、「それ、どういうこっちゃ?(そこ、もうちょっと教えて)」と言い方を変えて聞いてきます。ここで実は「内省(振り返り)」が入るのです。
そして最後。「ほんで、どないすんの?(それで次はどうするの?)」と聞かれる。すると、聞かれた方は「これからどうしようか」と考えるわけです。
つまり、相手に話させて傾聴し、考えさせる質問を投げかけ、自ら行動し成長するように促していく。メンバーの内的動機に火を点ける外的環境を整えることも大切です。
これがまさに1on1のキャリア面談をうまく進めるコツです。
部下が口を閉ざさぬよう
さまざまな仕掛けをほどこす
さらに、私が上司にお勧めしているのは、部下が話したい議題を前もって2、3個ほど提出してもらうことです。すると、部下は「上司と何を話そう?」と考える。この時点で振り返りになります。
そして、話すテーマはもう決まっているので、ミーティングでは部下は問わず語りに話し始めるでしょう。上司の発言は自然と減り、部下が何を考えているのかを理解することができます。
その際に上司は、自分とは意見が違うと思っても、頭ごなしに否定しないことが大事です。上司に否定されると、部下はそれ以上何も言えなくなってしまいます。
「そうか、そういう考えもあるんだ。もう少し教えて」と相手の意見をいったん受け入れることが信頼関係を構築する秘訣です。
1on1でのキャリア面談は、リーダーとしての度量、器が試される場でもあります。
こうしたキャリア面談を月に1回、可能であれば2週間に1回ずつ行っていくことをお勧めします。
部下との話し合いが
風通しのよい組織を作る
リーダーにとって大切なのは部下とのコミュニケーションです。







