具体的には、バスに乗り遅れそうになって追いかける動作や、ペットとの速足での散歩、階段を急いでかけ上がる動作、掃除などのちょっときつい家事などのことです。
このようなヴィルパの回数を数えて、その後約7年間におけるがんなどによる死亡率との関係を調べました。
その結果、1日にヴィルパがまったくなかった人に比べて、ヴィルパが1回以上あった人ではがんによる死亡リスクが低下しており、ヴィルパの回数が増えるにつれてがんの死亡リスクが減っていました。
1日にたった3回ヴィルパがあった人では、がんの死亡リスクがおよそ30%も低下していました。
また、回数だけでなく、1回のヴィルパのトータルの時間が4~5分と長くても、同じようにがんの死亡リスクがおよそ30%低下していました。
同書より転載 拡大画像表示
以上の結果より、定期的に運動をしていない人でも、1日に数回、ちょっときつめに動くことで、がんのリスクを減らすことができるということがいえます。
この日常生活におけるヴィルパですが、ぜひ運動嫌いの人におすすめしたいです。
わざわざジムに通ったり道具を揃えたり、「今から体を動かすぞ」と意気込んだりする必要はなく、たとえば、通勤や買い物の中でいつもより少し速足で歩いてみる、あるいはエレベーターやエスカレーターは使わずに階段を使ってみる、といった、ちょっとした心がけで簡単に増やすことができます。
こういった日常生活におけるヴィルパを意識するだけでがんのリスクが下がるのは、すごいことだと思います。普段の生活の中で、できそうなものから実践してみてください。
「週末に3時間だけ」の運動で
がんリスクが18%減
がん予防のガイドラインなどでは、がん予防のためには、ウォーキングなど毎日の運動が推奨されています。
しかし実際には、忙しくて毎日運動する時間がないという人もいるでしょう。
筋トレも、毎日のヴィルパも無理……そのような人は、じつは「週末だけ」でも、運動したほうがいいというデータがあるのです。2017年にJAMA Internal Medicineという雑誌に、運動の程度と死亡率との関係について調査した大規模な研究結果が報告されました。







