この研究では、イギリスの40歳以上の6万3591人の成人を対象として、日々の生活における活動性(運動の状況)について調査し、段階的に、運動をしていないグループ、少しだけ運動しているグループ、週末だけ運動をしているグループ、そして、定期的に運動しているグループの4つのグループに分類しました。

 より詳しくいうと、

・ 少しだけ運動しているグループとは、週に合計で150分間未満の中等度の運動、または、75分間未満の強い運動を行っている人

・ 週末だけ運動しているグループとは、週に150分間以上の中等度の運動、または、75分間以上の強い運動を、1~2回(つまり週末だけ)行っている人

・ 定期的に運動しているグループとは、週に150分間以上の中等度の運動、または、75分間以上の強い運動を、3回以上行っている人

 と定義しました。あなたはどのグループに当てはまっているでしょうか?

 これらのグループにおける、すべての死因による死亡率、心血管疾患による死亡率、そして、がんによる死亡率を調査した結果、運動をしていないグループと比較して、定期的に運動をしているグループではがんによる死亡リスクが21%低下していたのですが、少しだけ運動をしているグループでも、がんによる死亡リスクが17%低下しており、週末だけ運動しているグループでも、18%低下していました。

 つまり、がんによる死亡リスクに関しては、定期的な運動でも、少しだけの運動でも、さらに、週末だけの運動でもあまり変わらないという結果となりました。

 ちなみに、すべての死因による死亡リスクについては、定期的に運動している人では35%低下していましたが、少しだけ運動している人でも34%低下、週末だけ運動している人でも30%低下していました。この研究から、少しでも運動する人、週末だけでも運動する人は、がんやその他の原因による死亡リスクが低くなるといえます。

 というわけで、毎日の運動やヴィルパができないほど忙しい人は、週末だけでも運動することで、がん予防につながります。気分転換のためにも、週末ぐらいはウォーキングやジョギングに出かけてみてはいかがでしょうか。