AIグラス「Halliday」とは?

 Hallidayは一般への市販に先立って、クラウドファンディングのKickstarterやIndygogoで5.9億円相当の資金調達に成功した。現在、日本では、2026年1月頭までMakuakeでプロジェクトが公開中だ。筆者は今年の初めにKickstarterでバッカー(支援者)となり、当初予定されていた初夏の出荷開始を心待ちにしていたが、開発の遅れにより11月に製品が届いた。

 たとえば、Ray-Ban Metaはカメラ機能を内蔵し、それが捉えた被写体についてAIに質問できるが、ディスプレイ機能はなくAIとのやり取りは、すべて音声で行われる。これに対してHallidayは、カメラ機能はないものの、DigiWindowと呼ばれる超小型のグリーンモニタ(後述)が組み込まれており、AIの回答やその他の情報は、必要に応じてそこに表示される仕組みだ。スピーカーも内蔵されており、音質はそこそこだが、通話やインストラクションの音声、そして音楽再生に対応する。

 カメラ機能は、AIが周囲の状況を把握するうえで役立つがプライバシー上の懸念がある。また、Metaは、レンズ内の視界に映像を表示できるRay-Ban Displayと呼ばれるモデルも発表しているが、そのような機構はどうしてもメカニズムや電力消費の肥大化につながり、外寸や重量が増す要因となる。また、レンズ内の表示機構(光を導くためのウェイブガイド)が角度によって外部からうっすらと見えたり、明るい外光の下では視認性が落ちるなどの制約もある。

レンズ込みでも40g以下の軽さで、普段使いしやすい

 そのため、Hallidayはカメラを内蔵せず、レンズ内表示ではない独自のDigiWindowを開発して、プライバシー問題の回避や日常使いできるデザインにこだわったものと考えられる。そのおかげで、Hallidayの外観は一般的なメガネと区別がつかず、重量もレンズ込みで40gを切る軽量なもの(フレーム単体では28.5g)に仕上がった。レンズを入れず、いわゆる「伊達メガネ」のように使うこともできる。

 拡張ディスプレイ機能がメインのスマートグラスが70~100g、Ray-Ban Metaでも52gはあるので、かけ心地という点でも、Hallidayは普段使いできる仕様になっている(バッテリー駆動時間も公称最大12時間である)。

 Hallidayに近い製品としては、やはり40gを切る「Even G2」という製品があり、こちらはレンズ内に情報をグリーン表示できるが、カメラだけでなくスピーカーも内蔵せず、AIやスマートフォンからの通知などはすべて視覚的に提示される。

重量を量る様子重量は、レンズ込みでも40gを切る。たとえば、ディスプレイ機能がなくカメラを内蔵するRay-Ban Meta Gen2は約52gと、10g以上重い