フタを開けたら、その短期海外留学プログラムは大手旅行会社等のパッケージで他校も同じ業者を使っているみたいなことがあります。本気でやっているところは海外に姉妹校を持っていますし、学校オリジナルの留学プログラムを数十年単位で継続しているところもあります。

 中には帰国子女の確保に懸命な学校もあります。本気で生徒の英語力を高めようと思ったら、本来は学校が努力すべきなのに、英語力が高い子を先に取ってしまえばいいという発想になっている。しかも、英語をこれから勉強する子と一緒に伸ばしてくれるならいいですけど、こっちは放置されがちですからね。

――それがどこかは言えないでしょうが(笑)、逆にしっかりやっている学校はどこですか?大人気の広尾学園などは英語に強いと言われていますが。

 広尾学園はゼロベースの子も実際に伸びていますよね。2本立てでしっかり教育している。広尾学園は国際教育のほうで目立ってますが、校名を変更し、共学化した初年度の広尾学園のプレゼンは面倒見の良さの可視化でした。

 今だったらアプリなどのICT機器があるから、そんなことをやる必要はないんですけど、広尾学園が最初に取り組んだことは、学習管理をしっかりすることと、毎朝、小テストをやること。その小テストもその場ですぐに採点して、正解、不正解によってそれぞれの生徒に合わせた問題を授業後までに用意して再テストを受講させる。

 要は、正解した問題はワンランク上の問題にして、間違えた問題は、同じレベルの問題を出すと。これを繰り返すことによって、学力を定着させるのです。今まで先生方が個人で面倒を見ていたのを、学校全体として面倒をしっかり見ていくところから出発していますからね。学習管理は徹底していますよね。

 さらに教員集めにすごく力を入れています。先生方も役割分担をしているので、あまり過度な要求というのがなく、学校方針が明確なんですよ。目標をはっきりさせて、それを着実に達成していくという学校です。