新刊『12歳から始める 本当に頭のいい子の育てかた』は、東大・京大・早慶・旧帝大・GMARCHへ推薦入試で進学した学生の志望理由書1万件以上を分析し、合格者に共通する“子どもを伸ばす10の力”を明らかにした一冊です。「偏差値や受験難易度だけで語られがちだった子育てに新しい視点を取り入れてほしい」こう語る著者は、推薦入試専門塾リザプロ代表の孫辰洋氏で、推薦入試に特化した教育メディア「未来図」の運営も行っています。今回の記事では、「学歴社会は終わるのか?」について、孫氏と『1%の努力』著者ののひろゆき氏の特別対談をお送りします。(構成/ダイヤモンド社・森遥香)

学歴 偏差値ひろゆき氏(撮影:榊智朗)

学歴社会は終わるのか?

孫辰洋氏(以下、孫氏): 学歴社会は終わると思いますか? 僕は終わらせたいと思ってる派で。例えばドイツに本社を置くSAP社っていうソフトウェアの企業が、システムエンジニアの養成に特化した日本初の専門学校を作りました。他にも、デロイトトーマツグループが千葉県の木更津市にデロイトユニバーシティを作る計画をしてるんですよね。こうした流れのなかで、僕は学部とか学科は超専門化が進むんじゃないかと考えています。

ひろゆき氏: 僕は便利だと思うので残り続けると思いますけどね。例えば、人気企業の採用担当者が5人採用したいのに応募が1,000人来た時、学歴で書類選考(足切り)した方が効率はいいですよね。学歴は「それなりの能力がある」という見極めにはなるので、足切りで切られないためには、やっぱり学歴はそれなりにあった方がいいんじゃないかなと思います。

孫氏: そうですね。たとえば人事側が採用にかけられる時間的リソースが増えたときに、スクリーニングとしての学歴の価値は低下しうるんですか?

ひろゆき氏: 低下はしうるとは思いますけど、それ以外のスクリーニングの手段がまだ生まれてないので。結局、「学歴でスクリーニングするしかないよね」となります。シンガポールだと今、就労ビザを取ろうとすると学歴に応じて20点、10点、0点とレベル分けされるんですけど、20点を付与されるのは旧帝大と慶應・早稲田のMBAだけなんですよね。

小中学生の親が知っておきたいこと

孫氏: 学歴以外でスクリーニングをするとしたら、親御さんが知っておいた方がいいことってありますか?

ひろゆき氏: 高校の偏差値って以外と見られているってことですかね。僕は中小企業の経営者なんですけど、うちに来る応募者で、高校の偏差値を結構見ますね。

孫氏: と言いますと?

ひろゆき氏: 私立中高一貫でずっと受験対策を頑張ってきたやつはここでは除いて、公立高校で育ち、高校受験でなんとなく点数取れちゃったような地頭タイプは結構伸びる可能性が高い

孫氏: それめっちゃ面白いですね。日本のノーベル賞受賞者は地方公立高校出身が多いんですよ。

ひろゆき氏: へえ! 本来の能力値、つまり何にも受験対策をしない素の状態の偏差値で、その人の素の点数がそこで分かったりするから高校の偏差値は面白いですよね。

――ひろゆきさん、孫さん、ありがとうございました。

(この記事は『12歳から始める 本当に頭のいい子の育てかた』を元に作成したオリジナル記事です)