「Suicaのペンギン」卒業の驚き
新キャラは「資産」を継承できるか
プロモーションといえば、「Suicaのペンギン」が2026年度末で「卒業」し、新たなイメージキャラクターにバトンタッチすることが11月15日に発表された。Suicaの券面に印刷され、モバイルSuicaのアイコンにも使われる、言わずと知れたSuicaのシンボルである。
元々はイラストレーター・絵本作家の坂崎千春さんの描くキャラクターのひとつ。2001年のSuicaサービス開始のプロモーションで登場して以来、長きにわたりイメージキャラクターを務め、グッズ専門店「Pensta」まで展開される人気コンテンツだが、25年の節目を区切りに「卒業」することとなった。
衝撃的なニュースにさまざまな憶測が流れたが、JR東日本に聞くと、作者や権利者との関係は円満であり、Suicaが新しい次元へ進化することを示すためと強調する。もちろん円満でなかったとしても、そうは答えないだろうが、「卒業」には社内でも驚きの声があったというから、継続の選択肢もある中で、刷新という決断を下したのは確かなのだろう。
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同社は坂崎氏のキャラクターである「Suicaのペンギン」を「タレント」と表現する。モビリティと生活ソリューションの一体的な展開を進める上では、Suicaにとどまらず広く使用しやすい自前のキャラクターが必要という事情も分かる。
だが、25年にわたり積み上げたイメージと愛着は貴重な資産である。Suicaのシステムは今後、カード主体からアプリ主体へと形を変えていく。将来的にはウォークスルー改札を導入予定で、タッチというSuica最大の特徴すらなくなっていく。その中で従来のSuicaが積み重ねてきた安心・信頼・馴染みを、どのように引き継いでいくのかが大きな課題だ。
新たなイメージキャラクターは「お客様の生活と幅広い接点を持つ、進化するSuicaのイメージ」を担う存在として、「原案的なアイデアなど、誕生プロセスにおいて、何らかの形でお客様に参画していただくことも検討」しているというが、ただでさえハードルの高い挑戦に制約を設けることにも不安がある。特にJR東日本は高輪ゲートウェイしかり公募との相性が悪いだけに心配だ。
Suicaはすんなりと世代交代できるのか。teppayと新キャラクターは、その試金石になるだろう。







