実車の第一印象とドアの長さの秘密

F:初めてノマドの実車をご覧になったときの感想を聞かせてください。

河:良いですよね。バランスがとても良い。パッと見ても、無理やり伸ばした感じがしないでしょう。5枚ドアのノマドは、3枚ドアのジムニーやシエラと比べてフロントドアが10センチほど短くなっています。これがとても良い。長いドアって、街でも山でもあんまりメリットがないんです。ドアが短いほうが狭い駐車場でも乗り降りがしやすいし、林道に行ったときでも、何かあればすぐにサッと降りられるし。

F:そうか。3枚ドアだと後部座席の人の乗降のためにドアを長くせざるを得ない。

河:そうなんです。このドア長10センチの差は意外と大きい。

インタビュー風景Photo by A.T.

走りの質感とパワーの評価

F:走りのほうはいかがですか?

河:上質感がありますよね。ホイールベースが340mm長くなった分、なにかこう、違う車格のクルマに乗っているような印象があります。ノマドのベースになるシエラは、前までは旧型のエンジンを積んでいて、パワー不足だと言われていたんです。むしろターボエンジンを載せた軽のジムニーの方が軽くてパワーがあって扱いやすいよね、という声が多かった。

 でも今回はちゃんとパワフルなエンジンを積んできたので、我々ジムニー業界の人間の間でも「ちゃんとパワフルになっているよね」というのが共通した意見です。

 とはいえ今のご時世です。他の普通のクルマに乗っている人は、より大きなパワーに慣れてしまっているから、そういう人が初めてノマドに乗ると、たいていは「パワーがないですね」という感想を漏らします。そこはやはり1.5リットルの自然吸気ですから。

F:ジムニーはコンパクトなボディに軽縛りの中で頑張ってパワーを捻り出す非力なエンジン。それをトコトコ走らせるところが醍醐味で、APIOさんもそれを提唱してきたと思います。大きくなってパワフルになったジムニーというのはどうなんでしょう。

河:「大きくなった」と言っても、まだこのサイズ(全長:3890mm、全幅:1645mm、全高:1725mm)ですよ。世間一般からすれば「小さな四駆」であることに変わりはありません。

F:確かに。これからGクラスのミニとかランクルミニとかが出てくるみたいですが、あれだって相当にデカい(笑)。