なお、脳にとって快適な湿度は50~55%。室温や湿度などの屋内環境を改善すると、生産性が0.5~5.0%向上し、それによって得られる利益はアメリカだけで年間170億~260億ドルに達するとされています。
また、早稲田大学理工学総合研究センターの研究によると、湿度が35%以下になると、乾燥による疲れ目やドライアイによって瞬きが増え、作業効率が低くなると言います。逆に70%を超える湿度環境では、体温制御ができず、疲れやすいこともわかっています。
大切なことは、「脳ファースト」。身体にとっての快適な室温ではなく、脳にとっての快適性を重視すべきです。ゆえに、部屋は涼しく保ちながらも、冷え性の人は、ヒートテックのインナーやレッグウォーマーを着用して身体は温かく保ってください。
デスクワークに疲れたら
葉っぱをちぎって匂いをかぐ
新茶のパッケージを初めて開けたときに、スッキリとした香りを心地よく感じたことはないでしょうか。
この香りは専門的には、「青葉アルコール」または「青葉アルデヒド」と呼ばれます。
一般的には「緑林の香り」などと呼ばれるもので、この香り成分は、鼻腔の奥の嗅細胞でキャッチされ、脳の神経細胞を刺激します。その結果、一時的ではあるもののパフォーマンスが向上し、同じ作業をした際の疲れが抑えられるようになるのです。
香りの効果は長時間持続しないことが難点ですが、疲れを感じたら、こまめに緑林の香りを嗅ぐのは有効です。
未開封の新茶の缶を常備するわけにはいかないので、オフィスや自宅リビングや書斎に薄い葉を持つ観葉植物があれば、葉っぱをちぎって手で丸めて、匂いを嗅いでみると、同じように緑林の香りを得られます。
観葉植物を置けない場合は緑林の香りを含むアロマオイルでも代用できます。ただ、嗅細胞は香り刺激に慣れると効果が鈍りますので、アロマの刺激は断続的に利用するほうがいいでしょう。
常に全力よりも手抜きの方が
総仕事量では上!?
日本人は努力家が多く、手抜きが苦手な傾向があります。しかし、脳は100%の力を出し続けることはできません。絶好調のときでさえ、仕事で高いパフォーマンスを持続できるのは、長くてもほんの数時間。仮に100%の力で頑張ってしまうと、自律神経に強い負荷がかかり、自律神経の乱れやうつ状態になるリスクが高まります。







