「1日8時間働いてもまったく疲れない」と言う人がいたら、それは無意識にパフォーマンスを抑えているか、達成感や報酬で疲労感がマスクされて「隠れ疲労」に陥っている恐れがあります。
そもそも、相撲の立ち合いなど極度の緊張は2秒、授業を聞く程度の緊張感は90分、仕事などの軽い緊張感も4時間が限界とされています。
初めから100%で頑張るのは、マラソンのスタートで100mダッシュするようなもの。
全体の求められている仕事量を逆算して、適宜、手を抜きながら作業し、さらに50分ごとに休憩しながら仕事したほうが、持続的にパフォーマンスが発揮できて、トータルのパフォーマンスが高まります。
60%の力で80%の結果を
目指してみよう
仕事においては、「働き方改革」によって若者の意識は少しずつ変わってきていますが、それでも全力で頑張ることを美徳とする考えは根強く残っています。
もちろん努力することや頑張ること自体はいいのですが、100%の力で100の成果を出そうとすると、脳が疲れて仕事効率は下がり、その反動で仕事を持続することができなくなります。
うつ病や重篤な病気の発症、突然死や過労死の恐れもありますから、頑張りすぎて疲れていると感じているなら、注いだ力とその成果のバランスを考えてみましょう。
もし、成果に対して注いだ努力が多くなったと感じたら、もう疲れがパフォーマンスに影響を与えるほどに大きくなっている可能性があります。そんなときは、100%で頑張ろうとするのではなく、60%の力で80%の成果を出すことを意識してください。
成果の完成度を80%から100%の完璧な状態に仕上げるのには、最後の20%分にかなりの労力を要することがほとんどです。ゆえに、100%を求めず、最初から80%を目指す意識を持つと、仕事はかなり楽になるはずです。
そうすれば疲労を溜めずに、長く安定したパフォーマンスを出せるようになります。企業側もそれを前提に、中・長期のプランを立てることができるので、雇用側と従業員でウィンウィンの結果を得られるでしょう。







