現在(2025年12月初旬)、公式からこの日のライブ映像がリリースされる告知はないが、今後avexがどのようなかじ取りを行っていくかは不明である。
さて、日本人アーティストの中国公演が相次いで中止となる中、11月28日の上海での出来事である。
バンダイナムコが催すイベントで、『ONE PIECE』のエンディング曲で知られる歌手の大槻マキが異例のステージ中断の措置を受けた。歌っている真っ最中にステージ中の照明やマイク等の電源が落ちたのだという。
数秒後明かりがつくとスタッフがステージ上の彼女に駆け寄り、何事かを話しかけ、その誘導に従って彼女はステージをあとにした。全ては1分に満たないわずかな間に起きた出来事であり、あまりの展開に現場にいた演者も観客も「?」しか浮かばなかったであろう。
この事態を受けて日本国内での議論は今一度ヒートアップした。
「このご時世に中国でビジネスを行うチャイナリスクは考えられるべき」「ステージ中断くらいで済んでよかった。下手したら出演者や関係者が拘束や危害を加えられていたかもしれないおそれすらある」という切り口に対し、「そもそも悪いのは中国当局」「そうはいっても中国サイドのやり口の意地が悪すぎる」などの反論が聞こえてくる。
アーティストとしてベストを尽くす
「一貫した姿勢」
浜崎あゆみの無観客ライブがファンを超えて一般人から「かっこいい」と称賛された理由はいくつかに切り分けることができる。
まずは謙虚であることである。スターであっても、周りのスタッフと自分を支えてくれるファンへの感謝を忘れず、それを伝えていく。お国柄もあるだろうが謙虚なスターを人は応援したくなるものである。
次に、アーティストとしての一貫した姿勢である。浜崎あゆみの場合は政治にはタッチしないがアーティストとしてベストを尽くすとして、無観客のライブに臨んだ。
ステージ強制中断の憂き目を見た大槻マキも素晴らしく、上海から帰国後にインスタを更新し、恨み言や政治・外交関連のことは一切述べず、当日会場に来てくれたファンにお礼を言う時間がなかったことが心残りと前置きし、自分にできることとして今後歌・音楽を届けていく所存の旨を述べている。
外部の圧力によって予定通りのステージが行われなくても、アーティスト・パフォーマーとしてベストを追求していくぶれない芯がうかがわれる。







