「ジャニーには『タレントには年金がないから、そういうものができるようにしたい』といった夢がありました。そのために『財団法人を作る』とか、自分の財産をそういう方向で運用したいという考えがあったらしいのですが、そうするためには公益性を持たさねばならず、しかし公益性を持たせてしまえば所属していたタレントたちにお金が広く行き渡らないという矛盾を孕んでいたようなんです」
「それではジャニーさんの望むことにはフィットしないと」
「そうなんです。すると、ジャニーの周囲の人たちが『だったら「第二ジャニーズ事務所」を作ればいい』といったことを言い出したらしいんですね。ジャニーの育てている若い人たちだけのための会社を作ろうと」
「ジュニアのための別会社を作ろうというイメージですか?」
「はい。しかし、その提案を受けたジャニーは急に冷静になったらしくて。『この取り巻きの人たちは僕のために提案してるのではなく、僕がいなくなったあとの自分たちのために言っているんじゃないか』と思ったみたいで」
「いや、ちょっと待ってください。その『思ったみたいで』というのはどなたからの情報なんですか?」
「これはきちんとお伝えしますが、M先生というジャニーの主治医です。晩年のジャニーはその方にいろいろなことを相談していて、『ちょっとおかしい気がする』という話も持ちかけたそうなんです。最初から参加していたのか、途中から加わったのかはわかりませんが、M先生も委員会に入っていて、『たしかにこれはおかしい』ということになったらしく。結局、M先生がいろいろと調べてくださった結果、財団法人という考えはジャニーの理想にフィットしないことなどもわかってきて、『会社を残すためにはもう一択しかないんじゃないか』とお伝えしてくださったと聞いてます。これに関してはどこまで本当かわかりませんが」
「つまり、ジュリーさんに相続させるしかないと」
「はい。仮にメリーに遺したとしても、結局それはさらに税金を取られてすぐに私に回ってくることになりますので。いずれにしても今後はジュリーが会社を担っていくしかないのだから、ならば直接ジュリーに相続させるべきだという判断が働いたようです」







