1年物の定期預金金利に年1%(1000万円未満)を出している。ただし、期間別に比較すると、この金利が最高値で、2年物では0.45%に下がる。

 同様に、キャンペーンとはうたわずに高め金利を出しているのが、大和ネクスト銀行の年0.9%や、オリックス銀行の年0.85%(ただし100万円からの預け入れ)。いずれも1年物定期の金利で、やはり2年物になると金利が下がるのはご愛敬だ。

 以上の三行は「ボーナス時期の特別金利です」という強めのアピールはしていないが、実質そう考えてよさそうだ。

 先に挙げたキャンペーン金利を出している銀行と合計すれば、今のところ1年物定期で年1%以上が3行(auじぶん銀行、UI銀行、楽天銀行)、年0.9%が2行(ソニー銀行、大和ネクスト銀行)、年0.8~0.85%が3行(オリックス銀行、住信SBIネット銀行、セブン銀行)。

 他にも地銀のネット支店などで高金利を出しているところや、現在未発表だが追加で特別金利を出してくる銀行などもあるだろうが、いずれにしてもなかなか盛況だ。

「高め金利」はネット銀行中心
メガバンクも後追いするか

 年利1%は「金利のある世界」を具現化するマイルストーンといっていい。これまでも新規口座開設者限定とかシニア限定などの条件付き定期では見かけていたが、条件の縛りなし・ポイントや現金還元を加えていない金利のみで1%という数字を見るのはいつ以来だろう。

 高め金利をつけている顔ぶれは、毎度おなじみのネット銀行中心だが、さすがにメガバンクもおちおちしてはいられないのでは。ご存じの通り、日本の金融資産の約5割は現金・預金で、その多くを保有しているのは高齢者だ。元本保証を好む高齢者にとって1%という金利は魅力的であり、そういうお金をごっそりネット系銀行にさらわれてはたまらない。

 今後はメガバンクもじわじわ金利引き上げに動いてくるだろうと予想したい。

 魅力的な金利を見ると、つい手を出したくなってしまうものだが、新しく口座を開くのは慎重に。定期預金に預けたはいいが、それきりほぼ稼働しないような口座をどんどん増やすのは、いずれは未利用口座手数料を取られることになりかねない。